コスモスイニシア INITIA GREEN 環境への取り組み

第4回:東京デコルテ・ココラボモデルその1その2第3回第4回第5回

おおらかな空間も開けた空も手に入れる家。
外観 A棟(左)・B棟(右)
ココラボモデル環境共生住宅、ついに完成。
「人に、環境に、やさしい住まい」をテーマに東京大学建築学科難波研究室を中心とした産学共同研究プロジェクト「ココラボ2008」では、5つの視点を基に通風シミュレーションや風洞実験をはじめ様々な角度から検証を重ねてきました。ココラボ2008では、機械だけに頼るのではなく、人が本当に心地よく暮らすため、自然の力を利用したパッシブ設計の考え方を用いて戸建住宅を研究しました。今回、その研究成果を初めて実際の住まいとして形にしたココラボモデル環境共生住宅がついに竣工しました。
リビング・ダイニング(写真1)
リビング・ダイニング(写真1)
たくさんの「心地いい」が住まいにつまっています。
今回誕生したココラボモデル環境共生住宅は全2区画になります。「太陽」「風」「木」の自然の心地よさを五感で感じていただける住まいは、各棟ごとに趣向の異なる構造をしており、実際に体感できる楽しさも違っています。今回は2棟ある内のA棟についてご案内します。

A棟のテーマは「おおらかな空間も開けた空も手に入れる家」です。大開口と大きな吹抜けにこだわり、より高い「開放感」を創出する構造をしています。(写真1)陽当たりの良い南向き約21.4帖の広々としたリビング・ダイニングの上部を大きな吹抜けとすることで、住まい全体の開放感を高めています。大空間と大開口にの心地よさを支えているのは、外環境を活かすための大きな庇(ひさし)と落葉樹による日射コントロール機能です。(写真2、3)大きな庇は陽の高い夏には1日を通じてほとんど直接陽射しが室内に入らない設計となっています。また、外構の落葉樹は夏場の強い陽射しを遮り、冬場の暖かな陽射しを取り込み、外環境に合わせた自然のカーテンの役割を果たします。自然光ならではの心地よさが心にゆとりを与えてくれる、そんな自然の力を最大限活かした快適設計となっています。

大きな庇(写真2)
大きな庇(写真2)
落葉樹(写真3)
落葉樹(写真3)
袖壁(写真4)
袖壁(写真4)

環境を整え、柔らかな風を取り入れる。
大開口からは太陽の光明るさだけではなく、やわらかな風を取り込む工夫も施されています。ココラボ研究の通風シミュレーションから生まれた「袖壁(そでかべ)」で街並みに吹く風を有効的に取り入れます。(写真4)大開口から入った風は、吹抜けを通って屋根窓と呼ばれる風の通り道から外に出ていきます。(写真5)風の入口、通り道、そして出口と、自然の風を室内に誘導するためのアイデアを随所に盛り込むことで、人工ではなく、自然ならではのやわらかな風を暮らしの中で体感できます。

次回はB棟「人と人の心地いい間合いを生む、重なり合う開放空間の家」についてご案内します。
屋根窓(写真5)
屋根窓(写真5)


※掲載の写真は平成22年8月に撮影したものです。

CocoLABO2010年グッドデザイン賞受賞!
(平成22年10月8日公開)
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