【不動産買取ガイド】すぐに売りたい! 買取の基礎知識と手順の総まとめ
不動産の売却を考える理由は、人によって様々ですよね。
中には、今すぐにでも不動産を手放して現金化しなければならず、買取による不動産の売却を考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、買取のメリット・デメリット、買取を行う際の流れ、買取に向いている不動産などを紹介しています。
自分が今所有している不動産は、本当に買取による売却を行ってもよいのでしょうか?
ぜひ、検討しつつ読んでみてくださいね。
目次
「買取」のデメリットは、「仲介による売却と比較して安くなる」という点のみ!
まとめ|「早く売りたい!」何か事情がある場合は、買取の検討を
「買取」のデメリットは、「仲介による売却と比較して安くなる」という点のみ!
まず、買取のデメリットを紹介しましょう。
買取のデメリットは、「仲介によって比較して価格が安くなる」というただ一点のみです。依頼する不動産会社によって買取価格は異なりますが、目安としては、仲介よりも70~80%ほど価格が低下してしまうと言われています。
このデメリットが大きいため、よほど事情がない限りは買取よりも仲介によって不動産の売却を行う人が多いのです。
不動産会社は、買い取った不動産にリフォームやリノベーションなどの手を加えて再販売を行います。そのため、買取は相場よりも安くならざるを得ないのです。
「買取」のメリットとは?
「仲介による不動産売却と比較して価格が安くなってしまう」という買取のたったひとつのデメリット。その反面、買取を利用すれば一般的な仲介を利用した売却と比較してメリットは沢山あるのです。
ここでは、5つのメリットを紹介していきます。
- 仲介手数料が不要
- プライバシーを考慮した売却が可能
- 室内状況を気にせずOK!
- 売却後の補修義務・瑕疵担保責任が免責される
- 期限内、かつ確実な取引が可能
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それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
仲介手数料が不要
買取のよる不動産売却は、仲介手数料が不要です。売却の際の諸費用を節約することができます。
不動産会社へ仲介を依頼し、買い手を見つけて貰ってから売買契約を結ぶ場合は成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。
しかし、買取の場合は直接不動産会社に売却するので、仲介手数料の節約ができるのです。
プライバシーを考慮した売却が可能
急な転勤や離婚など、不動産の売却を考える理由は人によって様々ですよね。中には「購入希望者に住んでいるところを見られたくない」「ご近所に知られることなく売却をしたい」と考える方もいるでしょう。不動産会社による買取を利用すれば、プライバシーを考慮した売却が可能です。
仲介による売却を行う場合は、不動産会社のホームページや広告チラシなどに物件の情報を掲載しなければなりません。購入者が決まるまでの間、内覧希望者を迎えなければならないのも煩わしく感じる方もいるでしょう。
しかし、買取は不動産会社と直接取引を行うので、一切の販売活動を行いません。そのため、同僚やご近所に知られる心配もありませんし、内覧希望者を迎える必要もないのです。
室内状況を気にせずOK!
仲介による売却では、不動産そのものが老朽化している場合、「部屋がきれいじゃない」「リフォームをしないと買い手が見つかりそうにない」などの理由により、購入希望者が現れにくいかもしれません。
しかし、買取による不動産の売却は、不動産会社と直接取引を行うため、室内の状況を気にする必要はありません。
汚れている状態でも、すぐに売却することができます。
売却後の補修義務・瑕疵担保責任が免責される
不動産会社による買取での売却を行った場合、瑕疵(かし)担保責任が免除になります。
瑕疵担保責任とは、売却対象不動産に隠れた瑕疵(=外部から容易に発見できない欠陥)があった場合、売主が買主に対してその責任を負うことを指します。
瑕疵に当てはまる代表的なトラブルは、雨漏り、シロアリの発生、給水管からの漏水などがあげられます。
仲介による売却を行った場合、ある一定の期間内に売却した不動産でなんらかの瑕疵が見つかると、売り手に修繕・補修の義務が発生してしまいます。何十万、何百万円の修繕費を支払わなくてはならなくなる可能性も考えられるのです。
※通常は、瑕疵担保責任期間を2~3カ月程度としていることが多いです。
「売却後のトラブルが心配」「売却後の出費は避けたい」という方は、買取による不動産の売却を検討してみてもいいかもしれません。
期限内、かつ確実な取引が可能
買取をしてくれる不動産会社が決まっていれば、すぐに売却し現金化することができます。
仲介によって売却を行う場合、買い手をなかなか見つけることができず、困っているケースが見受けられます。
近年では、買い替えや住み替えなどの次の計画が決まっているのに、売却が上手くいかず無駄な出費が増えてしまう…というケースもあるのです。
不動産買取の流れ
次に、不動産買取の大まかな流れを見ていきましょう。
不動産の買取は、一般的に以下のような流れで行われていきます。
事前準備から残金決済まで、かかる期間は1か月程度がほとんど。
少し長く感じるかもしれませんが、仲介で不動産を売却する場合は半年~1年程度かかることもあるため、比較するとかなり短い期間で不動産の買取が行われていることが分かります。
提示された期間よりももっと短期間で買取を行いたい場合は、不動産会社に相談してみるといいでしょう。
それでは、手順を一つずつ説明していきます。
手順1.事前準備
不動産の買取査定を依頼する前に、事前の準備が必要です。
買取査定を行う前に、以下を準備しておくとスムーズに買取を行うことができるでしょう。
- 査定に必要な書類を用意する
- 買取査定額の相場を調べる
いくら仲介による不動産売却よりも価格が安くなってしまうとはいえ、少しでも高く、そしてなるべく早く売却を行いたいですよね。手間や時間のかかることもありますが、事前の準備が肝心です。ひとつずつ見ていきましょう。
事前準備1.査定に必要な書類を用意する
まずは、買取を行うにあたって必要になる書類が揃っているかの確認をしましょう。
【買取査定に必要な書類】
登記に必要な「固定資産評価証明書」
所有権の移転登記に必要な「登記済権利証」または「登記識別情報」
建物の形状を確認するための「建物図面」
土地の形状を確認するための「地積測量図」
購入時の販売資料である「パンフレット」
上記の書類は、買取査定を行うにあたって絶対に必要なものではありません。
より正確な査定価格を知るために用意しておきたいものです。
また、取得方法が分からない場合、上記書類の書類の一部は不動産会社に取得代行を依頼することも可能です。
できるだけ正確な査定額を知るためにも、前もって必要な書類を用意しておくことをおすすめします。
事前準備2.買取査定額の相場を調べる
実際に査定を行う前に、買取査定額の相場を調べましょう。
不動産会社による買取を選択する場合、依頼する不動産会社を選ばなければなりませんが、この時の選択が最終的な買取価格に影響するのです。
買取査定額の相場が知りたい場合、仲介の際と基本的な流れは同じです。複数社に査定を依頼することもできますし、1社にのみ依頼をすることも可能です。
ここで注意したいのは、「仲介よりも70~80%ほど低い価格になる」ということ。
仲介で不動産売却を行った場合はどのくらいの相場になるのかを知っておくと、ひとつの目安にもなります。
買取を依頼したい不動産と同等の物件がどれくらいの価格で売られているのかも注目したいですね。
詳しくはこちら:不動産売却、査定額「だけ」高い業者に要注意! 騙されないコツと基礎知識
手順2.買取査定
相場が分かったら、買取査定を不動産会社に依頼しましょう。
仲介と同様、机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類がありますが、より正確な査定価格を知るためにも、必ず訪問査定を行うようにしましょう。
訪問査定とは、営業マンが実際に物件を見て行う査定です。
住所や専有面積、間取り、築年数などのデータから大まかな査定額を算出する机上査定(簡易査定)とは異なり、目で見なければわからない情報を基に査定を行います。
また、査定を頼んだ会社に必ずしも買取を依頼しなければならない訳ではありません。2~3社に査定を依頼してみて、査定額や対応を比較するとよいでしょう。
手順3.買取価格の提示
査定を依頼した会社に、買取価格の提示をしてもらいましょう。
この時に気を付けたいのは、査定額と実際の売買価格は前後する可能性があるという点です。査定額が実際に取引される価格ではないということを、念頭に置いておきましょう。
手順4.打ち合わせ
売買スケジュールや物件引渡の際の条件確認のため、打ち合わせを行います。
買取による不動産の売却は、不動産会社と直接取引を行うことになります。そのため、都合に合わせた売買のスケジュールが立てやすいのです。
打ち合わせの際に、物件引渡の際の条件確認も忘れずに行いましょう。
- 家財道具の処分費の有無
- 空調設備の放置による請求の有無
- 売却代金の決済時期
以上は、非常にトラブルになりやすい項目でもあります。きちんと文書化しておくことが必要です。
手順5.契約
買取価格に納得ができたら、売買契約を締結します。
契約当日は、一般的に以下の5つを行います。
- 売買契約書の読み合わせ
- キッチンやエアコンなどの付帯設備の確認
- 雨漏り、シロアリ、給排水管の故障など、物件情報の確認
- 記名・押印
- 手付金の受領
この時点で、疑問点や不明点を全て解消し、円滑な売買契約の締結を行うよう心掛けましょう。
手順6.残金決済
最後に、残代金を受領し、物件の引渡を行いましょう。
引渡日を迎えるまでに、抵当権抹消に向けた手続き、公共企業や管理会社への引っ越し手続き、引っ越しの準備などを済ませておきます。
一般的に、決済日当日は銀行などの金融機関で引渡手続きが行われます。
司法書士による本人・書類確認、売買代金の受領、各種清算金の受領、住宅ローンの完済と抵当権抹消手続きなどが済んだのち、鍵や関係書類の引渡を行い、不動産買取による取引は終了です。
査定から残金決済まで、仲介による不動産の売却よりも期間が短くなる分、自身で準備をしなければならないことも多く、慌ただしくなることが予想されます。依頼した不動産会社とよく相談しつつ、スムーズに売買契約を結んで、不動産売却を進めましょう。
「買取」に向いている不動産とは?
以下のような物件の売却を考えている場合は、思い切って買取りを選択するべきでしょう。
- 築年数が30年以上経過している物件
- 過去に事件や事故のあった物件
- 内部の状態がかなり悪い物件
それでは、ひとつずつ確認していきましょう。
・築年数が30年以上経過している物件
水道などの給水管や排水管などの寿命は、25年程度だと言われています。
もし売却後の配管に欠欠陥が見つかった場合は、瑕疵担保責任による修繕の義務が発生し、構造によっては修繕費が100万円以上かかることもあります。高額な出費を避けるために、築年数の古いマンションは仲介による売却はせず、買取を希望する人が増えています。
・過去に事件や事故のあった物件
過去に火災や自殺などの事件や事故のあった物件は、なかなか買い手が見つからないか、相場よりもかなり安い価格での取引になる可能性が高いのです。
過去に事件や事故のあった物件を売却に出す場合は、多少価格が低くなってしまったとしても買取を選んだ方がよいでしょう。
・内部の状態がかなり悪い物件
内装が汚い、設備の状態が劣化している…といった内部の状態がかなり悪く、売却が見込めない場合も不動産会社に買い取ってもらうことを検討すべきでしょう。買取り後、リフォームやリノベーションして販売を行う不動産会社は多く、その場合は内装の状態を問われないからです。
もし、内装や設備を一新させてから売却に出そうとすると、高額なリフォーム代を売却価格に上乗せしなくてはなりません。
仮にリフォームをしても必ず買い手が見つかるとは言い切れませんし、資金面以外にも様々な手間がかかります。
買い手が見つかるまで待つよりも、買取を利用した方がメリットは大きいのです。
なかなか売れない…仲介で売るためにできることって?
「せっかく不動産を売却するのだから、より高い値段で売却をしたい…。」と考えている方もいるでしょう。
不動産が売れない理由は必ずあります。どうしても仲介で売却を行いたい場合は、今の売り方に問題がないか確認し、どうすれば売却することができるのか、検討してみましょう。
売却価格を見直す
仲介している不動産会社と媒介契約を変更する
物件の商品価値を上げる
売れない物件を売りやすくする方法として、上記の3つが挙げられます。
仲介での不動産売却を行いたい場合、大切なのは「どのように内覧希望者や購入希望者に買いたいと思わせることができるか?」ということです。担当者とよく相談をし、これから不動産を買う人の気持ちになって対策を考えていきましょう。
なかなか買い手が見つからない場合は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
詳しくはこちら:あなたのマンションはなぜ売れない? 売れるマンションに変える3つの方法とは
まとめ|「早く売りたい!」何か事情がある場合は、買取の検討を
不動産を売りに出す場合の事情は様々。しかし、「早く売りたい」と「なるべく高く売りたい」を両立することはなかなか難しいと言えます。
事情を加味した上で、所有している物件をなるべく高値で売りたいのか、それともできるだけ早く売りたいのかを考え、買取か仲介かの決断をしましょう。
当サイトでは、仲介による不動産売却に役立つ記事も掲載しています。
詳しくはこちら:【不動産売却ガイド】家を売るために必要な基礎知識と手順総まとめ
買取による不動産売却のデメリットは、「仲介による売却と比較して安くなってしまう」という一点のみ。何か急がなくてはならない事情があり、早く売りたい場合は、買取による不動産の売却がおすすめです。
急いでいるなかでも、きちんと査定を行い、納得のできる売却を行いましょう。
コスモスイニシアでは、オンラインでの売却査定の申し込みを受け付けています。
簡易査定も訪問査定も可能ですので、ぜひ一度お試しくださいね。
2017/02/23時点での情報です。