資本金とは?メリットや仕組み、決め方や使い道を解説します

- 2023.09.08

会社を創業する際にはさまざまな準備や手続きが必要になりますが、その中でも「資本金の額を決める」ことは非常に大切です。本記事では、資本金とはどういった役割があるのか、決め方や平均的な金額、税金との関係性について解説します。

 

資本金とは


資本金とは、主に会社の創業者が会社設立時に準備する資金であり、会社の運転資金として元手になるお金です。

必ずしも創業者自身が用意する必要はなく、株主や投資家がその一部を負担して出資するケースもあります。

また、2006年より以前では株式会社を設立するためには1,000万円の資本金が必要でしたが、新会社法が施行されたことによって資本金が1円から会社を設立できるようになりました。

 

ー資本金の役割

資本金には大きく分けて以下の2種類の役割があります。

 ・会社の運転資金

 ・会社の信用度の指標

会社設立時には売り上げが発生していないことも多いため、資本金がそのまま会社の運転資金となります。事務所の家賃や設備購入費、人を雇う場合は人件費なども資本金から払うことになります。

また、資本金には会社の信用度を測る上での指標となる役割もあります。資本金はホームページなどの会社概要ページに記載されることも多く、取引会社やステークホルダーに見られるため、「この会社は十分な資金があるようだ」という判断指標の1つになるのです。そのため、1円から会社を設立できるとはいえ、外部との取引が発生する場合は、資本金が多い方が信用は得られやすいといえるでしょう。

 

資本金はどうやって決める?


資本金は創業者が自由に決められますが、以下の2つの判断基準で決める場合が一般的です。

 

ービジネスモデルで決める

資本金は会社の運転資金になるため、最低でも3ヶ月間の運転資金は確保しておきましょう。

運転資金は会社で扱うビジネスモデルによって大きく変わってきます。

インターネットを利用したビジネスであれば固定費があまりかからないため、資本金はそこまで多く準備する必要はないでしょう。

一方で店舗ビジネスなどのように固定費が高く発生するビジネスの場合は、数百万円〜数千万円用意した方がいいケースもあります。

ご自身の扱うビジネスモデルによって必要な資金も異なるため、月の固定費や初期投資に応じた資本金を用意しましょう。

 

ー取引先の規模で決める

資本金は、ビジネスの取引先の規模も判断基準になります。

会社の信用度にも直結するため、ビジネスの取引相手に法人が多いことが想定できる場合は、資本金は潤沢にあるに越したことはないでしょう。

一方で、BtoCビジネスの場合は個人が取引先になることが多いため、そこまで潤沢に資本金を用意する必要もありません。

扱うビジネスモデルと取引先の規模、両者を判断基準にして資本金を定めましょう。

 

 

資本金の平均的な額は?


資本金の平均的な額は一体どれくらいなのでしょうか。

独立行政法人統計センターのデータを参考に、平均的な金額を紹介します。

出典:令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計 企業等に関する集計2(総務省統計局、独立行政法人統計センター)

上記の統計結果から、資本金が300万円〜3,000万円未満の企業の割合が全体の約80%弱を占めていることが分かります。

したがって資本金の平均的な額としては「300万円〜3,000万円未満」といえるでしょう。

 

資本金と税金の関係


資本金はいくらでも自由に設定することができますが、税金とも関連性があるため注意が必要です。

資本金と法人税、消費税、地方税、それぞれとの関係性を解説します。

ー法人税との関係

資本金が1億円を超えるかどうかによって法人税の税率が変わってきます。資本金が1億円以下の場合、企業規模が「中小企業」に分類されるため、年間所得が800万円以下であれば法人税の税率は15%になります。

一方で資本金が1億円を超える企業は「大企業」に分類されるため、法人税の税率は23.2%となってしまうのです。

資本金が1億円を超える可能性がある場合は、法人税とのバランスを考慮した上で決めましょう。

 

ー消費税との関係

資本金が1,000万円未満の場合、会社の設立から1年間は消費税が免除されます。

さらに、会社設立から6ヶ月間の課税売り上げが1,000万円を超えない場合には、2年目も引き続き消費税が免除されます。

消費税の免除は非常に大きなプラスとなるため、取引先の企業規模やビジネスモデルにもよりますが、初年度は節税をして経費を削減したいと考える場合は、資本金は1,000万円未満に設定しましょう。

 

ー地方税との関係

地方税は都道府県および市町村に対して支払う税金であり、資本金が1,000万円未満であれば軽減措置が受けられるため、課される地方税の税率は最低限で済みます。

また、資本金が1,000万円以上1億円以下の場合でも、一定の軽減措置が受けられます。

このように、消費税との兼ね合いも考えると資本金は1,000万円未満に設定することで税金面でさまざまな恩恵が受けられるといえるでしょう。

 

資本金の増資とは


「資本金の増資」とは会社の資本金を増やすことを指します。

資本金の増資には2パターンあり、株式を発行して投資家や株主から出資を受ける「有償増資」が一般的ですが、株式を発行せずに利益余剰金や資本準備金を資本金に組み入れる「無償増資」も存在します。

資本金を増資すると、経営の安定化や会社の信用度が向上するといったメリットがあります。

一方で、前述したような税金との関係で税率が上がったり、創業者や既存株主の持株比率が変わってしまったりといったデメリットもあります。

資本金の増資を検討する際は、税金との関係や持株比率などを考慮した上で慎重に行いましょう。

 

資本金の減資とは


「資本金の減資」とは、会社の資本金を減らすことを指します。

資本金の減資には、実際に資産の減少が伴う「有償減資」、資産が実際には減少しない「無償減資」、発行済み株式を全て消却する「100%減資」の3パターンが存在します。

資本金を減資すると、税務上の優遇が受けられるようになったり繰越欠損金を相殺することによって決算書の見栄えがよくできたりといったメリットがあります。

一方で、信用が低下してしまい取引先にマイナスなイメージを持たれてしまうというデメリットもあります。

税務上での優遇が得られるからといって安易に資本金を減資してしまうと、取引先の信用が低下し取引を打ち切られてしまう、というリスクもありますので増資と同様に慎重に行いましょう。

また、減資をする場合には債権者への公告が必要となるため、実行する場合には事前に理由を説明し、理解を得ることが大切です。

 

 

まとめ


資本金は会社の運転資金や信用度を判断する基準となるお金です。

2006年の新会社法の施行によって1円から会社の設立が可能になりましたが、ビジネスモデルや取引先の規模を考慮して適切な金額を用意しましょう。

 

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