コワーキングスペースとは?設備・サービスからメリット・デメリットまで解説!

- 2022.11.08

コワーキングスペースという名前は聞いたことがあっても、「どのようなサービスが提供されているのか分からない」「興味はあるが利用するメリットがあるか疑問」という人もいるのではないでしょうか。フリーランスや起業家、在宅勤務に移行したものの「自宅では仕事がはかどらない」という人には、「コワーキングスペース」の利用がおすすめです。

本記事では、コワーキングスペースのサービス内容や、他のワークスペースとの違い、利用時のメリット・デメリットをお伝えします。

コワーキングスペースとは?

コワーキングスペースとは、ビジネス向けのオープンオフィススペースです。基本的に、固定席はなく、フリーアドレスで自由に空いている席を使用することができます。最近ではリモートワーカーによる利用、副業の作業場として利用される方も増えています。

コワーキングスペースでは、具体的にどのようなサービスを受けられるのでしょうか。コワーキングスペースを選ぶ際に、自身が利用したいと思える設備があるかどうかも大きなポイントです。また、無料で使用できるのか、有料の場合は発生する料金についても各設備の情報を確認しておきましょう。

下記は一例です。コワーキングスペースによって、設備やサービスの有無があることにご留意ください。

 

ワークスペース

フリーアドレスで、基本的にどの席でも利用が可能。大人数がシェアできる大きなデスク、数人でミーティングしながら使えるデスク、個人用のデスクなど、複数のデスクが用意されているため、その日の気分や用途に合わせて、場所を変えて働けます。ワークスペースは、各コワーキングスペースの特色が出やすく、内装やインテリア、デスクの質感や椅子の種類など多種多様です。

 

無線LAN(Wi-Fi)

どの席に座っても仕事ができるようWi-Fiが用意されており、利用者は自由に使うことができます。なかには有線LANがあるコワーキングスペースもあります。

 

個人ロッカー

コワーキングスペースでは自席がないため、私物を保管することができません。鍵が付いているので、仕事に必要な物や貴重品の保管に便利。毎日コワーキングスペースを利用する人におすすめです。

 

複合機

コピーやFAX、スキャナー、プリンターなどが使える複合機があるため、資料作成にも困りません。

 

 集中ブース

コワーキングスペースはフリーアドレスが基本ですが、周囲に人がいると気が散ってしまうということもあるでしょう。そこで一部のコワーキングスペースでは、個室または集中ブースが設けられています。

 

会議室

 

会議や商談、来客対応用に会議室を設置しているコワーキングスペースは多くあります。自社オフィスを持たないフリーランスや起業したばかりの人であれば、取引先と打ち合わせができるスペースを確保しにくいため重宝されます。

 

受付代行

会議や商談をコワーキングスペースで行う際の来客時の取り次ぎや用件の確認、会議室までの案内などの代行を依頼できます。来客が多い人にとっては便利なサービスです。

 

法人登記/住所利用

起業している人におすすめなのが、住所利用のサービスです。法人登記に使えるだけでなく、名刺やホームページへの記載も可能。専用のオフィスを借りるより費用を抑えられます。

 

郵便物ポスト・宅配ボックス

住所利用を使えば、コワーキングスペース宛に郵便物を届けてもらうことも可能です。仕事中でも荷物を受け取れるので、公私ともに活用できるでしょう。外出中は、宅配ボックスを利用できるところもあります。

 

セミナールーム

コワーキングスペースは利用者同士がつながる場でもあるため、セミナーを開催したり受講したりすることができます。

 

電話転送・FAX

住所利用と同様に、コワーキングスペースの電話番号を利用できるところがあります。個人で仕事をしている人であれば、ビジネス用の電話を用意していないことも多いでしょう。電話転送サービスを利用すれば代わりに外部からの電話に対応し、自分の電話に取り次いでくれます。プライベートの電話番号を公にしたくない場合におすすめです。

 

交流会・イベント

コワーキングスペースでは、利用者同士の交流会やイベントが開催されています。開催頻度や内容はそれぞれ異なりますが、同業者と情報を共有できたり取引先と親睦を深められたりと、新たな業務提携や取引が生まれることも期待できます。

 

経営支援・コンサルティング

オプションとして、小規模事業者や個人事業主の経営支援やコンサルティング業務を行っているコワーキングスペースもあります。事業計画や資金計画など経営に関する相談やサポートを受けることができます。

 

キッチン

1日の大半をコワーキングスペースで過ごすという人にとって、ランチの調理や温め直しができるキッチンがあると便利です。また、1日のみのカフェイベントや新レシピの試食会を開いたり、動画を撮影したりと料理関係のビジネスにも活用できます。

 

フリードリンク

コーヒーやジュースが飲み放題になっているコワーキングスペースも存在します。毎日、缶コーヒーやペットボトルを買うとなると、出費がかさむもの。自由に飲み物が飲めるところだと、より快適に仕事ができるでしょう。来客があった際に、すぐに飲み物を用意できるのも便利です。

 

利用者同士のマッチングサービス

ビジネスパートナーやクライアントを効率的に探すために、ビジネスマッチングを利用することができます。フリーランスや設立したての企業だと、企業同士のつながりや人脈が少ないケースがよくあります。マッチングサービスを利用することで、新しいネットワークの構築が可能です。

 

コワーキングスペースの料金プラン

 

コワーキングスペースの料金プランは、主に「月額制」と「ドロップイン」の2種類です。スペースの使い方によって、お得になる料金プランは変わってきます。

 

月額制

月額制では、初期費用を最初に支払い、その後は月単位で利用料を支払います。利用頻度が高い場合や利用時間が長い場合は、月額制を選んだほうがコスパが良くなる傾向があります。利用料はオプションの有無などによるものの、月1〜3万円が相場です。

コワーキングスペースを中心にビジネスを展開する人や、固定的に作業場として利用する人、毎回同じコワーキングスペースを利用する人には月額制がおすすめです。

 

ドロップイン

ドロップインは、利用するときだけ利用料を支払う料金プランです。一般的には、時間単位または1日単位で料金が決められています。利用する頻度が低い場合や、月によって利用する頻度や時間にバラつきがある場合は、年間を通してみるとドロップインのほうがお得になる傾向があります。利用料は、1時間あたり数百円、1日にすると1,000〜2,000円程度が相場です。

好きなときだけ利用したい人や、気分でコワーキングスペースを変えたい人、利用頻度が毎月変わる可能性がある人にはドロップインがおすすめです。

 

コワーキングスペースを利用するメリット

 

IT技術の進歩と働き方の多様化により、企業のオフィスや自宅以外で仕事をするケースが増えました。そのなかで、コワーキングスペースを利用するメリットが大きくなっています。

他の利用者と情報交換や人脈ができる

オープンスペースなので、働くなかで会話が生まれやすく、頻繁に利用していれば顔なじみの利用者もできるでしょう。交流会やイベント、セミナーに参加すれば積極的につながりを作ることも可能です。フリーランスや起業したての人にはとくにメリットが大きいといえます。

 

作業環境が整った快適な空間で仕事ができる

コワーキングスペースでは、気分に合わせて選べるワークスペースや打ち合わせや商談ができる会議室、安定した通信環境、過ごしやすい温度に設定された空調など、快適な作業環境が整っています。

カフェやファミレス、図書館でもある程度仕事はできますが、騒音やセキュリティが気になるところ。また、連日の長時間利用や、取引先との会議で利用するのは難しいでしょう。コワーキングスペースであれば、周囲や時間を気にせず、個人の作業にも取引先との会議にも利用できます。ドロップインなら、1,2時間だけなど一時的な利用も可能です。

 

低コストで作業場・インフラを確保できる

コワーキングスペースは、低コストで作業場を確保でき、電気や空調、通信環境、電話回線といったインフラを利用できます。

個人でオフィスを借りる場合、物件の敷金に複合機やオフィス家具の購入費と、大きな初期費用がかかります。その後も、貸料や光熱費、通信費といった固定費だけで毎月数万円はかかるでしょう。月1〜3万程度で整備された仕事環境を利用できることを考えると、コワーキングスペースはフリーランスなど個人で活動している人にとってかなりコスパが良いサービスといえます。

 

作業に集中しやすい

仕事に集中できる環境は人それぞれ違いますが、「静かすぎると集中できない」「静かな場所ほどちょっとした雑音が目立って聞こえる」という人も多いものです。コワーキングスペースは、騒がしいということはありませんが、人の気配は感じられます。周囲の目があるため、良い緊張感のなか仕事に勤しむことができるでしょう。

 

コワーキングスペースを利用するデメリットと対策方法

最後は、コワーキングスペースのデメリットを紹介します。事前に分かっていれば対策が可能なこともあるため、ぜひ確認しておきましょう。

 

周囲の視線や雑音が気になる

コワーキングスペースは、オープンスペースなのでどうしても周囲の視線や雑音があるなか仕事をすることになります。そのため、できるだけ静かで、完全に1人で仕事をしたいという人にはあまり向いていません。

通常の業務ではオープンスペースで問題ないが、特定の作業だけ集中したいという人であれば、個室や集中ブースが設定してあるコワーキングスペースがおすすめです。電話が可能なエリアが分かれているところだと、比較的静かに作業しやすいでしょう。また、会議や商談、人脈づくりのときのみ利用するというのも、おすすめの使い方です。

 

ワークスペースが限られている

コワーキングスペースは、自分専用の席が決まっているわけではないため、混雑していたりお気に入りの席を確保できない可能性があります。個室や集中ブースが満席で、利用したいときに利用できないことも考えられます。

限られたワークスペースのなかで働くことを前提としましょう。コワーキングスペースによっては、ホームページやアプリで予約状況や混雑具合を確認できます。状況に合わせて、複数のコワーキングスペースを使い分けるのもおすすめです。

 

情報漏洩のリスクがある

コワーキングスペースは、さまざまな人が出入りするため、情報が漏れてしまうリスクがあります。重要な資料をデスクに置きっぱなしにしたり、パソコンを開いたまま席を立ったりするのは控えましょう。パソコンやスマホは、ファイルを暗号化し、遠隔操作でロックやデータ削除ができるようにしておくことも大切です。

多くのコワーキングスペースでは、有人フロントでの入室者の管理やWi-Fiの暗号化、鍵付きロッカーの設置、警備会社のセキュリティシステムの導入など、しっかりとセキュリティ対策が講じられています。ただし、なかにはセキュリティ対策が不足しているところもあるので、「入口はオートロックか」「Wi-Fiや有線LANが使えるのは利用者だけか」などを確認しつつ、利用するコワーキングスペースを選ぶようにしましょう。

コワーキングスペースは、利用者同士のつながりを重視しているところが多いため、場所によっては既存のコミュニティが出来上がっています。人によっては、そのコミュニティに入りづらいと感じるケースもあるでしょう。

ワークスペースの雰囲気や集まるビジネスパーソンの傾向は、コワーキングスペースによって異なります。個々での作業が中心のところもあれば、利用者同士の交流が活発なところもあります。

 

コワーキングスペースで自分らしい働き方を!

 

今回は、近年認知度が上がってきたコワーキングスペースについて詳しく解説しました。コワーキングスペースは、短時間だけの利用も、固定的な利用も自由に選択できるため、フリーランスや起業家、在宅勤務者と幅広いビジネスパーソンが利用できます。

ただし、ひと口にコワーキングスペースといっても、設備・サービスや雰囲気、セキュリティ対策はそれぞれ異なります。働きやすいスペースを探してみましょう。

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