フリーランスとは?代表的な職種や個人事業主との違いを解説

- 2024.01.21

近年リモートワークが浸透し、
フリーランスを目指す人・思い切ってフリーランスになったという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、フリーランスとフリーター・個人事業主の違いや、フリーランスの人がどのよう仕事をしているのかを解説していきます。フリーランスに興味のある人や、現在フリーランスを目指している人は、是非参考にしてみて下さい。

 

フリーランスとは


フリーランスとは、企業や組織に所属せず、個人で仕事を請け負う働き方を指します。

フリーターや個人事業主と同じものと思われがちですが、厳密には異なります。
フリーランスは業務委託契約を結び、クライアントから要求される知識やスキル、技術を提供します。そして、その対価として報酬を得るのです。

 

フリーターとの違い


フリーターとの明確な違いは、働き方です。
フリーターは、正社員ではないパートやアルバイトといった雇用形態で企業に所属し、そこから収入を得る人を指します。
一方、フリーランスは企業や組織に所属せず、自身のスキルや技術をもとに報酬を得ます。
フリーターは企業に雇用されて収入を得るのに対し、
フリーランスは雇用されることなく、個人として仕事を請け負い、収入を得る働き方である点に違いがあります。

 

個人事業主との違い


個人事業主とは、税務署に個人事業主開業届を提出し、法人を設立せずに業務を行う者を指す税務上の区分です。

一方、フリーランスは税務上の特定の区分を指す言葉ではなく、働き方や職態を示す一般的な言葉です。

個人事業主とフリーランスの主な違いは、前者が税務上の具体的な区分を示すのに対して、後者は働き方を示す言葉である点です。そのため、働き方として見れば、多くの個人事業主もフリーランスの範疇に入ることがあります。

個人事業主は、青色申告特別控除や補助金を受けられるメリットがありますが、フリーランスにはないという点も、個人事業主とフリーランスの違いといえるでしょう。

 

フリーランスの主な契約方法


フリーランスとして働く際の主な契約方法には、請負契約と準委任契約があります。

請負契約は、成果物に対して報酬が支払われる契約です。この契約形態では、仕事の完成が必須とされ、その完成は請負人の義務となります。例えば、ホームページ制作、記事制作、デザイン制作などの仕事をITエンジニアが受ける際には、請負契約が一般的に用いられます。

一方、準委任契約は、法律行為でない業務に対して報酬が支払われる契約です。この契約形態では、成果物の完成よりも、委託業務の遂行そのものが重視されます。高い専門技術を持つフリーランスのITエンジニアが大規模なプロジェクトに参加する場合などは、準委任契約が選ばれることが一般的です。

報酬に関しては、時間単位での契約も存在しますが、月額固定の報酬や、定められた工数に基づく成果に応じた報酬が調整される契約が多いです。

 

フリーランスにおすすめのシェアオフィスはこちら▼
MID POINT大森
MID POINT幡ヶ谷

 

フリーランスの代表的な職種


フリーランスとして活躍する人々は、さまざまな職種で働いています。以下では、フリーランスとしての代表的な職種について解説していきます。

 

IT系  

IT系の代表的な職種には、以下のものが挙げられます。

  • ITエンジニア
  • Web系エンジニア(フロントエンド、バックエンド)
  • プログラマー
  • コーダー
  • インフラエンジニア
  • SE(システムエンジニ)
  • ゲームエンジニア
  • 組み込みエンジニア
  • アプリ開発エンジニア
  • Webディレクター
  • Webプロデューサー
  • プロジェクトマネジャー など

「IT系」と一言で言っても、高い専門性が求められる分野が多く、業務内容は様々に分類されます。このため、ITはフリーランスとして活躍する人たちが多い職種・業界と言えます。特に、ITエンジニアの需要は近年増加しています。

養成スクールやWeb教材といった学習環境が充実してきたので、未経験者でもスキルを習得し、フリーランスとして活動する人が増えてきています。

 

クリエイティブ系 

クリエイティブ系の代表的な職種には、以下のものが挙げられます。

  • UI/UXデザイナー
  • Webデザイナー
  • Webグラフィックデザイナー
  • CGデザイナー
  • フォトグラファー
  • 動画編集者
  • 映像クリエイター
  • イラストレーター
  • ライバー
  • ハンドメイド作家
  • 陶芸家
  • 画家
  • 音楽家 など

IT系の多くの職種はシステム構築や運用のような裏方が中心ですが、クリエイティブ系ではユーザーを集客や魅了する役割を持つ、表向きの職種が主流となっています。この中で近年、特に注目されているのがUI/UXデザイナーです。

UI(User Interface)デザイナーは、製品やサービスの利用者が直接触れるインターフェース部分のデザインを担当します。一方、UX(User Experience)デザイナーは、ユーザーの体験全体をデザインし、それによってユーザーが快適にサービスを利用できるようにする役割を持っています。両者ともに、ユーザーの視点に立った設計を行い、利用者にとって使いやすく魅力的なサービスを提供することが求められます。

現代社会ではIT技術の進化に伴い、これらのデザイナーの役割が一段と重要になってきています。昔は動画編集や映像制作が専門知識を持つ者だけのものでしたが、ITの進化で一般の人も手軽にこれらの作業ができるようになりました。特にSNSや動画配信サービスの普及に伴い、動画編集を趣味や副業とする人が増え、それを背景にフリーランスとして活動する人も多く見られます。

 

物書き系 

物書き系の代表的な職種には、以下のものが挙げられます。

  • ライター
  • ブロガー
  • アフィリエイター
  • コピーライター
  • 編集者
  • コラムニスト
  • エッセイスト
  • ジャーナリスト
  • 翻訳家 など

ライターやコラムニストは、雑誌や書籍の記事やコンテンツの作成を担当します。物書き系の仕事は、クラウドソーシングを通じて仕事を受注できる点や、特別なスキルや資格が必須ではない点が魅力とされています。このため、多くの人がこの分野での活動を始めやすいのです。ただし、高い単価での仕事を受注するには、洗練された文章力や独自の表現力が必要とされます。そのため、スキルの習得や実績の積み重ねが非常に重要となります。

 

美容系 

美容系の中でも特に身近な職種として、美容師が挙げられます。フリーランスとして活躍する美容師も増えており、複数の美容室と契約し、指定された曜日で働くという業務委託形式が一般的になってきています。また、既存の美容室の一部を借りて、独立して営業を行う「面貸し」の形態も見受けられます。

ただし、美容師として働くためには、国家資格である美容師免許が必須条件となります。

その他の美容に関連する代表的な職種としては、以下のようなものがあります。

  • メイクアップアーティスト
  • アイリスト
  • スタイリスト
  • パーソナルカラーアナリスト
  • モデル
  • ネイリスト など

 

士業系

士業系の職種は、高度な専門知識と特定の資格が求められます。多くの資格は、難易度の高い試験を突破する必要があるため、未経験から資格を取得しフリーランスを目指すのは容易ではありません。専門学校を卒業し、資格を取得した後、一定の実績や経験を積んでからフリーランスとして独立することが一般的です。

士業系の代表的な職種としては、以下のようなものがあります。

  • 税理士
  • 弁護士
  • 建築士
  • 司法書士
  • 公認会計士
  • 中小企業診断士 など

士業系の職種は、安定した地位を確立するまでに時間や労力がかかることもありますが、一度その地位を築ければ、報酬も高く、仕事のやりがいも大きいと言われています。

 

ビジネス系

ビジネス系の代表的な職種には、マーケターやコンサルタントがあります。IT技術の進化に伴い、販売戦略を立案するマーケターや、企業の経営や戦略をサポートするコンサルタントへの需要は増加の一途を辿っています。IT関連の知識や経験、そして柔軟な思考を持つことは、これらの職種での競争力を高める要素となります。その他のビジネス系の職種としては、以下のようなものが考えられます。

  • mPR、広報
  • 秘書
  • 営業
  • ファイナンシャルプランナー
  • キャリアカウンセラー
  • 講師
  • 通訳 など

 

その他

上記に挙げた職種以外にも、多岐にわたるフリーランスとしての仕事が存在します。以下がその代表的なものです。

  • インテリアコーディネーター
  • 収納アドバイザー
  • フードコーディネーター
  • ヨガインストラクター
  • フラワーコーディネーター
  • ドローン操縦士
  • スポーツトレーナー
  • ペットシッター
  • ベビーシッター など

多くの「その他」の職種は、典型的なオフィスワークとは異なり、クライアントや顧客の特定のニーズや趣味に寄り添ったサービスを提供するものが中心です。ただ、多くの職種では、民間資格がクライアントからの信頼獲得に役立つため、フリーランスとして成功するためには、関連する資格の取得が推奨されます。

さらに、一部の民間資格は、需要や信頼性が高まることで国家資格へと昇格する可能性もあります。これらの職種は、その未来性や可能性から見ても、非常にやりがいのあるものといえるでしょう。

 

フリーランスのメリット


次に、フリーランスとしての働き方のメリットについて説明します。以下のメリットを感じ、それが自身の働き方として魅力的だと感じる人は、フリーランスとしてのキャリアを検討する価値があります。

 

自由な働き方

フリーランスの最大のメリットは、働き方の自由度が高いことです。出勤時間、勤務地、休日、服装、髪型など、多くの要素を自分の好みに合わせて調整できます。特に、リモートワークが主体であれば、旅行中でも仕事を進めることができます。

ただ、契約の内容によっては、特定の企業や場所に常駐して作業することもあります。そのため、完全に働き方を自由に選べるわけではありません。自由な働き方を希望する場合は、契約内容を十分に確認し、場所や時間に縛られるような契約を避けるよう心がけましょう。

 

成果に応じた収入

フリーランスの魅力の一つに、給料の上限が存在しないことが挙げられます。高度な専門スキルや技術を有している場合や、多くのクライアントから信頼を得ている場合、従来のサラリーマンと比較して高収入を実現することも可能です。

報酬や仕事の量を自ら調整できるため、努力やスキルの向上が直接収入に結びつく点は、多くのフリーランサーにとって魅力的でしょう。

 

定年がない

フリーランスには定年制度が存在しないため、自身の健康やスキル、クライアントからの需要が続く限り、好きなだけ仕事を続けることができます。近年では、会社勤務での定年後、フリーランスとして再スタートする人も増えてきています。

 

対人関係のストレス軽減

フリーランスとして働く場合、日常的な上司や同僚との人間関係に起因するストレスが大幅に軽減されます。もちろん、クライアントや取引先とのコミュニケーションは必要ですが、日々の労働環境としては主に一人での作業が中心となるため、対人関係のストレスは最小限にとどまります。

 

選べる仕事内容

フリーランスは受ける仕事を自分で選べます。会社勤務では、上司から指定された業務をこなすことが一般的ですが、フリーランスならば高収入を期待できる案件や、自分のスキルを活かせる仕事、あるいは自分の体調やキャパシティに合わせて案件を選ぶことができます。これにより、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。

 

フリーランスのデメリット


フリーランスのメリットを理解した上で、デメリットにも目を通しましょう。フリーランスに転身しようと検討している人は、メリットだけではなく、デメリットもしっかりと理解した上で判断することが大切です。

 

収入の不安定性

会社員のように固定給が保証されているわけではなく、フリーランスは基本的に成果報酬型となります。そのため、仕事の量や内容によって収入が大きく変動します。

急な病気や事故などのリスクも考慮すると、収入が途絶える可能性も考慮しなければなりません。収入を安定させるためには、スキルの向上や資産形成(積み立てNisaやiDeCoなど)が必要です。

 

会社の福利厚生の欠如

企業に所属していないため、会社の福利厚生は受けられません。これにより、健康保険料や福利厚生に関連する費用が自己負担となります。このような出費を抑えるためには、青色申告の利用や経費計上を適切に行うことが重要です。

 

事務作業の手間

確定申告や保険加入などの手続きは全て自分で行わなければなりません。会社員であれば、社会保険に加入・会社側が代わりに納税(源泉徴収)などの手続きを会社が代わりに行ってくれますが、フリーランスとしては自らが手続きをしなければなりません。

フリーランスになりたての人は、事務書類に苦戦することもあります。

 

高度な自己管理能力の必要性

会社や組織のように、働き時間や場所などの決められたルールが存在しないため、高い自己管理スキルが求められます。

自由が得られる分、仕事のスケジュールや納期・体調管理・モチベーション維持など、全てに責任が伴います。スケジュールや体調管理など、自己管理スキルは常に磨き維持しましょう。

 

人と関わる機会の減少

フリーランスとして働く場合、案件の内容にもよりますが、基本的には単独で作業をするため、人と関わる機会が減少します。このような状況で対人関係を維持するための方法として、コワーキングスペースを利用する、フリーランスのコミュニティに参加するなどが考えられます。

同業者との交流を増やすことで、フリーランス特有の問題点や悩みに対するアドバイスを共有できるメリットもあります。孤独感や特定の悩みを抱えている場合、こうした方法で人との関わりを持つことは、フリーランスとしての生活の質を向上させる要因となります。

 

クレジットカードやローンの審査の厳格化

フリーランスの方は、収入の不安定さを理由に、社会的な信用度が低く見られる場合があります。これが原因で、クレジットカードの発行や賃貸の契約、大きなローンの申請が難しくなることがあります。

特に大きな購入を考えている方は、フリーランスに転身する前に、必要な審査を済ませておくことをおすすめします。

 

フリーランスにおすすめのシェアオフィスはこちら▼
MID POINT大森
MID POINT幡ヶ谷

 

フリーランス新法が可決された


2023年4月28日にフリーランス新法が可決されました。この法律は、フリーランスとして働く人々の労働環境を保護することを目的としています。新型コロナウイルスの影響やITの進展に伴い、多様な働き方が浸透してきており、フリーランスを選択する人が増えています。

しかし、2018年頃から、不適切な契約や報酬の問題でトラブルに巻き込まれるフリーランサーが増えてきたことが社会問題となっていました。

そのため、フリーランサーが安定した環境で働けるよう、以下のようなポイントを盛り込んだ新法が作成されました。

  • 契約条件は書面にて確認する。
  • 報酬は60日以内に支払う。
  • 不特定多数を対象とした募集情報は適切に行う。
  • フリーランサーの利益を損なう不当な取り扱いを禁止する。
  • フリーランサーの労働環境の整備に努力する。

これらのルールや禁止事項に違反する企業やクライアントが存在した場合、フリーランサーは「フリーランス・トラブル110番」に相談することが推奨されています。専門家によるアドバイスやトラブル解決のサポートが受けられます。

この新法は現在可決されたばかりで、2024年秋を目処に施行される予定です。フリーランスとしての活動を考えている人や、既にフリーランサーとして活動している人は、この法律を知っておくことで、トラブルを未然に防ぐ手助けとなるでしょう。

 

まとめ


フリーランスは、自由な働き方と定年の制約のないキャリアを提供する、今最も注目されているワークスタイルのひとつです。もちろん、その自由さには挑戦も伴いますが、2023年のフリーランス新法の可決により、フリーランサーの権利がさらに強化され、より安定した労働環境が保証されるようになりました。この進展は、フリーランスという選択をより魅力的なものにしており、多くのプロフェッショナルに新たな可能性をもたらしています。

 

フリーランスでオフィスをお探しのみなさまへ


シェアオフィスならMIDPOINTがおすすめ!

「心地よく、ちょうどよい。」をコンセプトに、MIDPOINTはみなさまが快適に過ごせるデザインと居心地の良い空間づくりをしております。

  • 東京・神奈川に全8拠点展開中!(記事執筆現在)
  • 24時間365日利用可
  • ゲスト利用可
  • 会議室・WEB専用個室をご用意
  • メンバー同士のコミュニティ形成

フリーランスとしての新しい働き方、新しいコミュニティを求めるなら、MIDPOINTがおすすめです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

PAGE TOP