2015.10.1
「グッドデザイン賞」14年連続受賞!!
2015年度は2プロジェクトが受賞。
『イニシア文京根津』
『イニシア行徳』
受賞プロジェクト
応募カテゴリー住宅・住空間
『イニシア文京根津』(新築分譲マンション)~地域と協働し、路地を再生したプロジェクト~
文京区根津に建設された分譲マンション。計画地内に残る路地を再生し、地域の課題解決に向けて町内会と協働し、承継する仕組みを提案したプロジェクト。
『イニシア行徳』(新築分譲マンション)~暮らしてみてわかる細やかな造りこみを、「試し住み」で体験できるプロジェクト~
千葉県市川市に建設された分譲マンション。暮らしてみて分かる住み心地について、「試し住み」をしてから住宅購入ができる新しい住宅取得プロセス(「住んでみて購入セレクト」サービス)を提案したプロジェクト。
受賞プロジェクト概要
『イニシア文京根津』(東京都文京区、集合住宅)
「路地の再生を通して地域と集合住宅の関係性をデザインする」
当プロジェクトは、路地のある原風景が魅力的で、路地を通した地域コミュニティが広がる文京区根津二丁目に建設された分譲マンションです。根津エリアの毛細血管のように細く入り組んだ路地は、近年の開発において失われつつあり、路地風景の街並み保存と共に、木造密集地の避難経路の整備のための新たな路地を再生する必要がありました。
計画段階から地元の根津宮永町会と共にワークショップを開催し、“根津らしい路地を再生する”をコンセプトとして、路地のある街並み保存と、地域の課題を抽出し、住民の意思を路地再生に反映しました。
取組の顕在化取組の背景等を“路地協定書”に残すことにより、新しい住民にも見える化し継承。今後の他のさまざまな場での開発において一つのモデルとなることを目指しています。
根津の建築デザイン作法の承継根津の街中にある建築の作法“透かす・通り抜ける・交わる”のデザインを外観デザインへ踏襲しています。
[審査評価ポイント]
戦前から続くまち景観の中でのマンション開発であるが、従前からのまち空間である路地を、周辺地域とどのように共有・継承していくかに注力した点が評価できる。
『イニシア行徳』(千葉県市川市、集合住宅)
「住まいの所有への新しいプロセスの提案×暮らしてみてわかる細やかな造りこみ」
分譲住宅は、購入前に住み心地を事前に経験することはできません。暮らしてみてわかる細やかな造りこみをデザインしたこのプロジェクトにおいて、購入意向決定後に一定期間賃貸借で居住した後で、所有権移転手続きに移行できる新しい住宅所有へのプロセス(「住んでみて購入セレクト」サービス)を提案しています。
一定期間「試し住み」が可能な契約を締結し、セレクトオーナー(試し住み期間中の購入予定者)として入居後一定期間「住み心地」を体感した後で購入の意思決定ができます。セレクトオーナー期間中は賃料の負担は発生しますが、実際に住んでみないと分からない不安や購入後の後悔を解消することが可能です。
ユーザー(セレクトオーナー)が損をしない仕組み売買契約と賃貸借契約を同時に締結するが、キャンセルの場合にはペナルティーが一切かからない設定(原状回復費のみ)。また、当初1年間居住という契約内容であるが、申し出次第で期間を早めて購入/キャンセルをすることも可能な仕組みです。
商品開発へのフィードバックユーザー(セレクトオーナー)から住宅の住み心地を体験した後の声を収集することで、今後の商品開発に活かし新たな住まい環境を創造していくことができます。
[審査評価ポイント]
試し住みという新しい試みを販売戦略とした分譲型集合住宅である。実際に見たり、住んでみなければ想像すら難しいにも関わらず、販売者の都合で工事中に売買契約を締結しなければならない現状に対して大変批評的で、これからのさらなる展開に期待したい。