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持続のNext2016.6.24

社会課題 「住まいの新たな選択肢・リノベーション」に対して、私たちが取り組んだこと

リノベーションマンションにお住まいのオーナーさま
暮らしごこちインタビュー。
一目ぼれした“わが家”です。

建物内観写真(2016年6月撮影)

今春からコスモスイニシアがリノベーションした大田区内のマンションで暮らすIさま。
ご購入の決め手となったポイントや現在の住み心地などについて、
設計を担当したコスモスイニシアの穴吹千春がお話をお聞きしました。

土間にインパクトを感じて、まさに一目惚れ状態でした

穴吹

私たちがリノベーションしたお部屋で、素敵に暮らしていただき本当にありがとうございます。遠方からのお住み替えと伺っておりますが、こちらの物件をどのようにして選んでいただいたのですか?

Iさま

こちらこそ、こんな素敵な空間を造っていただき感謝しています。3月まで大阪で勤務していたのですが、東京異動の内示を受けインターネットで物件を探し始めました。以前大田区内に住んでいたことがあり、知っている街の方が不自由が少ないかな、とこのエリアで検索していたら、こんなお洒落な物件が出てくるとは……。びっくりしてしまいました。

穴吹千春 Chiharu Anabuki/
株式会社コスモスイニシア建築本部・
建築統括部・統括課チーフ

穴吹

真っ先に気に入っていただけたのは、どのあたりでしたか?

Iさま

ずばり土間ですね。ネットでいろんな物件を見ていて、これまで一戸建て物件の広告で土間があるものを見たことはありますが、マンションでは見た記憶がほとんどありません。他の物件にはないものがあることで、全体にスパイスが効いている印象を持ち、きっとこの部屋は隅々までデザインやインテリアに配慮されているだろうなと思ったのです。あと間取りが縦長でシンプル。制約が少なく使い勝手が良さそうなところにも惹かれました。

穴吹

土間はかなり思い入れのある部分だったので、そう言っていただけますと設計者冥利につきます。弊社は新築も含めてそうなのですが、ゲストをお迎えする玄関部分については、広さをゆったり取って、華のある空間にすることを心がけてきました。それによって多少居住空間が狭くなってしまうかも知れませんが、きっとそれ以上に豊かな気持ちで過ごしていただけると考えています。間取りとしての数字には決して現れてこないのですけど(苦笑)。

Iさま

確かに数字で計れない満足って存在しますよね。最終的にふたつの物件が候補に残ったのですが、明らかにもうひとつの方が将来の資産価値に優れていました。でも自分の内なる声に耳を傾けると、『デザインとインテリアは譲れないな』と。もちろん資産価値も大事だけど、自分が暮らしていて満足かどうかのほうが、私にとっては重要だったことに気付きました。

土間部分(2016年6月撮影)

穴吹

「棚やダクトレールなどについては、どのような印象をお持ちになりましたか。ちなみに金物部分はブラックで統一感を持たせたのですが、いかがですか?

建物内観写真(2016年6月撮影)

Iさま

ブラックはとても気に入っています。空間全体を引き締めていますよね。シルバーやホワイトではパンチ不足だったと思います。棚とダクトレールをパソコンの画面で見た瞬間、『三段目の右端には、あの帽子を置いて、ダクトレールに追加したスポットで照らしてみよう……』とか閃いていました。ごく自然に自分が暮らしているイメージが湧いてきて、『見つけた』というよりは『巡り合えた』という言葉がぴったりくる感じ。

洗面室まわりも良いですよね。黒と白が基調の空間にオンボウルの洗面台。ここはホテルかと見間違ってしまうほどにスタイリッシュ。タオルは真っ白しかないなと考え、あわてて買い直したぐらいです(苦笑)。

穴吹

カラーリングは最後ギリギリまで悩んだので、今のお言葉をお聞きして安心しました。ところでご入居されて2カ月あまり。現在どのように過ごされているのでしょうか?

洗面室(2016年6月撮影)

玄関から室内をのぞむ(2016年6月撮影)

Iさま

仕事から帰ってきて、部屋の様子がにじみ出ているガラスの扉を開けた瞬間、ほっとします。 まずダイニングのチェアーに座り、ぐるっと部屋中を見回して『いいなあ』と・・・。休日の外出は減りましたね。居心地が良いから出て行こうと思わないんですよ。本を読んだり、勉強したり、テレビを観たり……。時折、友達を呼んで手料理でもてなすこともあります。こちらのキッチンは3口のガスコンロ。前の家はIHで火力が物足りなかったのが不満だったんで、これは嬉しかったですね。

穴吹

きっとこの部屋にお住まいになる方は、社交的な方だろうからと、キッチンのスペックにもこだわりました。まさにイメージ通りに活用していただいて嬉しいです。ご友人方は、このお部屋を見てどのような感想を持たれたのかをお聞きしたいです。ちなみにご来客があった場合は、寝室との境にあるスライドウォールは閉じられているのでしょうか?

Iさま

初めて来た人は口を揃えたように『まるでお店みたいだね』って褒めてくれるので、ドヤ顔で返しています(笑)。寝室も物を少なくして生活感が出ないように心がけているので、スライドウォールは開放しているケースが多いですね。ただお客さんのコートや荷物などが多い場合は、寝室にまとめて置いてウォールを閉じ、クローク代わりにしたこともありました。

建物内観写真(2016年6月撮影)

穴吹

まさにプロのコーディネーターが手がけたような空間なのですが、デザインやインテリアにはいつ頃から興味を持たれてきたのですか?ご参考にされている本などはありますか?

土間固定棚部分(2016年6月撮影)

Iさま

大学生になってからですね。動機は単純というか不純で、お洒落な部屋だと女の子にモテるかなと(苦笑)。当時はお金もあまりなかったので、ホームセンターで材料を買ってきて間接照明器具を作ったり、海が近かったので流木を拾ってきて飾ってみたりといろいろ試していました。『BRUTUS』や『POPEYE』などマガジンハウスの雑誌がお手本ですね。特に『BRUTUS』の居住空間学特集の号は毎年かならず買っています。

土間固定棚部分(2016年6月撮影)

穴吹

DIYに近いこともされていたのですね。そこまで精通されているのなら、今回ご自身でオーダーメイドするという発想はなかったのですか?

建物内観写真(2016年6月撮影)

Iさま

もちろん興味はあったのですが、コストもかかりますし、働きながらですからなかなかプランニングのための時間も取れません。もし最初から自分の希望が叶う物件があればそれに越したことがないと思って探していたら、あったんです! よく見たらコスモスイニシアさんの物件で、これなら安心だと考えました。

穴吹

ありがとうございます。そうはいってもご不満に思ったことはありますか?また今後手を加えていくことを考えていらっしゃいますか?

Iさま

本当に気に入っていますし、満足しています。もしどうしても挙げるとするなら、キッチンの壁にお洒落なフライパンなどをかけられたら良かったなというぐらい。これからはフラットな壁に棚を作り足して、もっとお気に入りの小物を飾れるようにしたいですね。実は今、絵描きさんと知り合いになって、壁にかける絵をお願いしているところなんです。穴吹さんに造っていただいたこの空間の持ち味を損ねることなく、自分なりのカスタマイズをしていきたいと考えています。

リビング・ダイニング(2016年6月撮影)

穴吹

Iさまの感性で、このお部屋をより素敵に育てていって頂ければと思います。本日はありがとうございました。