コスモスイニシアがお客さまや社会に提供したいと考えているものは、
住まいや不動産の領域を超えた、“一歩先の価値”です。
そこから生まれたコスモスイニシアならではの商品・サービスや新たな取り組みをご紹介する、
「コスモスイニシアのモノづくり、コトづくり、トキづくり」。
今回は、都市生活者に新たな過ごし方を提案するアウトドアリゾートとして2020年にグランドオープンした
『ETOWA KASAMA(エトワ笠間)』。
そこに込められた想いとこだわりを、プロジェクト担当者に聞きました。
『ETOWA KASAMA』は、地元で愛されてきた「旧あたご天狗の森スカイロッジ」をリノベーションし、新たに生まれ変わったグランピング施設です。キャビンタイプ10棟・テントタイプ6棟の計16棟の客室に、ファイヤープレイスやアウトドアバーなどを備えています。国や地方自治体が所有し利用者減少や遊休化が課題となっている公共施設に新たな価値を加えることで、「都心では得られない自然の中での旅行体験」を提供するとともに、公共施設の価値向上をめざします。
私たちは不動産デベロッパーなので、新しい事業を考えるときも建物や不動産から発想しがちです。しかし、事業の方向性を模索する段階で、将来の社会やお客さまの生活像について徹底的に話し合い、さまざまな視点から検討を重ねた結果、次の社会で“いいね”と言ってもらえることを提供するためには既存の不動産の概念にとらわれることなく、お客さまにとっての価値を先回って提案するという発想が必要だと考えました。
例えば働き方改革や有給消化の浸透で、今後は余暇の取り方やすごし方もきっと変わるでしょう。そんなときに、社会のニーズに柔軟に応えられるサービスを、コスモスイニシアがいち早く考え、ご提案しなくてはならないのではと思ったのです。今すぐじゃなくても、近い将来にお客さまが「そういえばコスモスイニシアに気になるサービスがあったな、試してみようか」と思っていただける、そんな何かを私たちは提供したいのです。こうして誕生したのが『ETOWA KASAMA』でした。
プロジェクトメンバー全員で、これからの人々のライフスタイルはどのように変わるだろうか、そこで社会に求められることは何だろうかということに、想像をめぐらせました。その過程で出てきたキーワードが2つあります。1つは「気軽な旅」へのニーズです。今後は働き方改革や有給消化の浸透で、余暇や休暇の使い方が変わるのではないかという仮説です。これまでの旅はまとまった休暇が取れる時にしか行けませんでしたが、準備の手間や移動の時間をかけずに、非日常を楽しめる「気軽な旅」が求められるのではないでしょうか。もう1つは「自然のなかで過ごす時間」です。東京は何もしなくてもどんどん都会化し、テクノロジーや生活利便も高まっていくでしょう。これが都会の価値だとしたら、地方はむしろ都会のように進化せず、自然とともにあることが価値と言えるのではないでしょうか。そのような都市生活と対比される価値を掘り起こし、都市で生活される方々に提案したいと考えました。
まず「ETOWA(エトワ)」という名前についてお話しします。この施設の役割は、お客さまにとって特別で贅沢な時間をお過ごしいただくことです。その根源にあるのは、普段とは違う環境で一緒に旅を楽しむ方と交わす、有言・無言を問わぬ「会話」ではないかと考えました。これが「ETOWA=会と話」の名前の由来です。
『ETOWA KASAMA』が位置するのは豊かな自然に包まれた茨城県笠間市ですが、ここは都心から電車90分ほど。この距離感は、今後求められるのではないかと想像した「気軽な旅」に最適ではないでしょうか。
また、都心居住のお客さまの生活に「自然のなかで過ごす時間」を取り入れることも『ETOWA KASAMA』の大きな狙いです。場内のファイヤープレイスで火のゆらぎに接したり、美しい雲海や朝日がきらめく自然の景色を見たり、無音の環境や夜の暗さにひたったり。
都会では街灯が無いと危険だと言われますが、ここではかけがえのない自然の価値の一つ。もの音のしない深い静けさも、都会では得られない価値です。目新しいことではないかもしれませんが、都会ではできないことを体験しながら、ゆっくりとおすごしいただけるのが、何よりの贅沢になるはずです。
実は、スタッフの接客に、マンション事業で培った販売センタースタッフのノウハウを応用しています。『ETOWA KASAMA』にいらしたお客さまは、ワクワクしながらモデルルームに来場されるお客さまと似ているのではないかと思ったのです。販売センターのスタッフは、そんなお客さまをどのようにお迎えすれば、いい雰囲気だと感じていただけたり信頼していただけるかをよく知っています。そのエッセンスを『ETOWA KASAMA』にも取り入れました。また、コスモスイニシアのマンションをご購入いただいたお客さまには、販売スタッフに大きな信頼を寄せてくださる方が非常に多いのですが、『ETOWA KASAMA』のスタッフにもそうなってもらいたいと思います。マナーや礼儀正しさだけではなく、お客さまの気持ちに入り、お客さまの気持ちに応えることを大切にするスタッフがいてくれる場所。おしゃれな建物があるだけではなく、いい人たちがいるから『ETOWA KASAMA』に行く、そうなることが、これからのお客さまのニーズにもお応えすることにつながると考えています。
オープン初日のことですが、お客さまがチェックアウトされたあと、「満喫しました、ありがとう」と書かれた手紙をスタッフが客室で見つけました。本当にうれしかったですね。オープンまでのさまざまな苦労が、一挙に吹き飛ぶほどの思いでした。最近は「お客さまの気持ちに入り、お客さまの気持ちに応える接客」についてスタッフ一人ひとりが興味をもってくれて、こちらに指示を仰ぐことなく独自の工夫や判断で対応をするようになってきました。それが、SNSや書き込みに書かれているのを知って、「こんな素敵な対応をしたの?!」と驚かされることがあるほどです。
依然としてコロナウイルスの問題が影響を及ぼしています。そんななかで新規で予約をしてくださるお客さまも大勢いらっしゃいます。だからこそ、ここを選んでいただいた全てのお客さまを大切にしていきたいのです。会社の事業ですから利益をあげることも大切なのですが、お客さまの笑顔や満足を実感したときの喜びや充実感も同じように大切なのです。これは『ETOWA KASAMA』のスタッフだけではなく、コスモスイニシアの他の事業に関わる人たちも同じはずです。
ここまでお読みになった方は、『ETOWA』がグランピング施設のブランドとして笠間以外にも展開していくと思われるかもしれませんが、それは少し違います。お客さまが次に求められるのは何かを考え、最適な課題解決策を提案するのが私たちの事業の本質だと思っています。だから、案件によってはグランピング施設になるかもしれないし、全く違う新たな提案にもなるでしょう。また、『ETOWA KASAMA』についても、事業が安定してからも社会やお客さまのニーズに柔軟に対応していかなくてはならないと考えています。いま、お客さまのライフスタイルの変化は本当に早いものです。半年もすれば色々な変化が出てきます。すでに出来上がった施設でも、そういう変化に対応していくことが『ETOWA』という事業だと考えています。
ぜひ『ETOWA KASAMA』の時間を、多くの皆さまに体験していただきたいと思います。また、これからの新たな事業や取り組みにもご期待ください。
※掲載の内容は2021年2月時点のものです。
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「コスモスイニシアのモノづくり、コトづくり、トキづくり」では、
これからもコスモスイニシアならではのさまざまな取り組みをご紹介してまいります。
どうぞご期待ください!