コスモスイニシアがお客さまや社会に提供したいと考えているものは、
住まいや不動産の領域を超えた、“一歩先の価値”です。
そこから生まれたコスモスイニシアならではの商品・サービスや新たな取り組みをお伝えする、
「コスモスイニシアのモノづくり、コトづくり、トキづくり」。
今回ご紹介するのは、レンタルオフィスブランドとして2018年に誕生した『MID POINT』 (ミッドポイント)。
このプロジェクトに込められた独自の視点と新たな価値を、担当者に聞きました。
『MID POINT』は、「住居と職場の中間点」「企業の成長過程における新たなステージへの通過点」となるレンタルオフィスとして、第1弾の「MID POINT目黒不動前」を皮切りに、大塚、武蔵小杉、横濱関内、川崎に拠点を展開しています(2021年6月現在)。シェアオフィスやコワーキングスペース、サテライトオフィス等の活用が進むいま、『MID POINT』がコンセプトとして掲げる職住近接・コミュニティ形成・心地よい空間デザインに、数多くのワーカー、企業、個人事業主さまのご支持をいただいています。
そもそもこの事業に携わる前から、働き方はもっと多様であっていいのではないかと考えていました。また、今後はさまざまなビジネス分野においてフリーランスの数が増加し、減少に転じることは無いであろうというデータや予測もありました。このような社会背景を踏まえ新規事業として企画されたのが、一般的なオフィスではなく個人で事業を立ち上げている人々を応援できるレンタルオフィスやコワーキングでした。そして、この事業分野で「コスモスイニシアだからできること」が何か、徹底的に検討されました。その答えが、居心地の良さや住まいらしさということをしっかりと空間に反映したオフィスをご提供するということでした。また、当時のレンタルオフィスにはあまりなかった共用ラウンジを取り入れ、個人の入居者同士でもビジネスや人脈を広げられるような仕掛けができればということを考えました。さらに、施設周辺の地域の方々とも接点を作り、いろいろな価値を提供することで、その施設自体が地域のハブになるような、コミュニティ重視の視点も取り入れることになったのです。どれも、効率や機能性を重視した従来のオフィスにはなかった、新しい価値の提案です。
『MID POINT』の特徴は「MID」というワードに集約されています。
一つ目が「MID PLACE 」=都心過ぎず、郊外過ぎない、「職住近接」の程良い立地です。利便性を重視する一般的なオフィスには見られない独自の発想です。いま、「住むこと」と「働くこと」の境界が曖昧になりつつあり、コロナウイルスの問題でその傾向がとくに顕著になりました。「職住近接」はこのような現在の社会状況にも対応できるコンセプトです。「住む」ことに対するコスモスイニシアのこだわりにもつながる考え方です。
二つ目が「MID PLATFORM」=組織と個人、両方のメリットを享受できる場です。少し概念的な話になりますが、「個人」は活用できるリソースは少ないけど、思いのままに動けます。一方、「組織や企業」はリソースは多いけど、柔軟に動けないこともあります。『MID POINT』は、良い意味でその中間を目指しています。大勢の個人が集まっていますが、縛られることもなく、自分の意思で付かず離れずの位置をとりながら、仕事の幅を広げられる場です。
最後が「MID PRICE」=上質な環境やデザインを手の届く価格で提供することです。『MID POINT』はオフィスとしての効率や機能性だけではなく、住まいづくりの経験を活かした居心地の良さを大切にしています。落ち着けるラウンジをはじめ、家の雰囲気を感じさせるキッチンを設けたり、照明にもこだわりました。また、他の利用者の目線が気にならないように、ゾーニングも工夫しています。
単にスペースを確保したいということに留まらず、自分らしい“それぞれの働き方”を模索している人が急激に増えたように感じます。これもコロナウイルスの影響が大きいのかもしれませんが、皆さんがオフィスや働くということを改めて考え直す契機になったのではないでしょうか。リモートを組み合わせたり、拠点を分散したり、色々な選択肢が選べる時代に、オフィスはなぜ必要なのかと。個人事業主やフリーランスの方にも、「起業したらオフィスは借りるもの」という固定概念を見直した方が多いのではないでしょうか。
また、リモートワークが増えたため、かえって家で仕事ができないという人も増えています。夫婦が二人ともリモートになり家の中が手狭になったり、子供がいるのでweb会議がしにくかったり。そんな悩みに対しても、『MID POINT』のプラットフォームや「職住近接」がもたらす価値が、より一層貢献していると感じています。
一つの取り組みとして、各拠点にコミュニティマネージャーが常駐し、入居者とつながり、コミュニケーションを活性化しながら管理等の業務を行なっています。運営パートナーである、非営利型株式会社Polarisのコミュニティマネージャーは、その多くが施設周辺にお住まいの方で構成されているので、地域とのつながりも強化されます。今後はイベントの企画・運営やビジネス上のつながりを促進するようなサポートにおいても、より重要な役割を担うことになるのではないでしょうか。また、現場のコミュニティマネージャーだけでなく、コスモスイニシアの拠点担当者も入居者と関係性を持っています。このようなつながりの中から、例えば武蔵小杉の拠点では、入居者同士でビジネスマッチングが生まれた事例が増えてきています。ある入居者の方と話をしていた担当者が、「この人のビジネスは、あの人と組むと広がるのでは」とひらめき、ご紹介したところビジネスがつながったのです。このようなかたちで入居者の方を応援することは、オフィス事業において非常に大切です。入居者にとっては『MID POINT』に来てからがビジネスの本番です。そこに我々がどのように関わり、ここを使っていただけるだけの価値を高めていけるか。そうしたことを考え、目指していますが、その芽はもう出始めています。
その通りですが、実はコミュニティをあまりビジネスライクなことだけに集約したくないのです。私自身は「ビジネス上でメリットがあるからこの人と仕事をしたい」と思うことはあまりなくて、むしろ「価値観が共有できる」「人として魅力を感じる」ということのほうが一緒に仕事をする強いきっかけになります。皆さんも同じような経験はありませんか?ちょっとした共通点を見つけ、それがきっかけで仲良くなるような。これはコミュニティの入り口も同じで、少し遊びになるような余白の部分を用意しないと活性化はしないと考えています。例えば、『MID POINT』を使っていただいた結果、気に入った人たちとつながって、部活のように遊んで楽しんだり、地域の方たちとつながりができて、お店や街の情報が増え、行きつけのお店がたくさんできて、それによってQOL(Quality of Life)が向上したり。そんなことが起こってもよいと思います。居心地の良さにこだわるのも、そのためなのです。仕事の領域だけではなく、入居者の方々の人生とキャリアの両方が充実するようにしたいのです。
コミュニティをさらに活用しやすくするために、スマホのアプリをつかったサービスに目を向けています。それぞれの入居者が情報を可視化することで、コミュニケーションのきっかけになり、関係づくりがしやすくなるような仕掛けができないかと考えています。ビジネス以外にも趣味の話などを自由に投稿・発信していただき、「こんなスキルや知識を持っているんだ」「こんな性格なんだ」「こんな活動をしているんだ」ということがわかれば、そこからコミュニケーションが生まれ、ゆくゆくはビジネスにつながる可能性も広がります。周辺地域や他の拠点とも、つながりができるようになるかもしれません。コミュニケーションがうまく築けない方の理由の多くが、「きっかけがないし、タイミングもわからない」という悩みをお持ちです。お互い仕事をしていますし、忙しそうにしていたら話しかけて良いものかわかりませんよね。でもアプリの情報が、この悩みを取り払えるかもしれないのです。
こうした仕組みが構築できたら、ゆくゆくは分譲マンションの入居者コニュニティの形成にもフィードバックできるかもしれません。デザインや空間設計は分譲マンションのノウハウを取り入れましたが、次は『MID POINT』のノウハウを他の事業にスピンオフする日がくるかもしれません。
その通りです。これからの不動産デベロッパーは、「住まいはマンションで提供し、仕事場はオフィスで提供する」といった旧来の概念から脱却しなくては、社会のニーズにマッチした商品やサービスを提供できなくなるかもしれません。私たちもオフィスやコミュニティ形成の分野だけではなく、さまざまな取り組みから得られた価値を、既成概念にとらわれることなく、他の事業に役立てられればと思います。それが、『MID POINT』に直接関係のない一般の方々や、社会への貢献にもつながると信じています。
(掲載のインタビューは2021年5月のものです)
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