実際どうなの!? マンション最上階のメリット・デメリットを徹底解説
「マンションに住むなら1度は最上階で暮らしてみたい」と憧れを抱いている人は多いのではないでしょうか?確かにマンションの最上階は「眺望がよい」「日当たりがよい」「開放感がある」といった利点を持っています。しかし、最上階には利点ばかりではなく欠点も存在するのです。
欠点を知らずに引っ越してしまうと、住んでから後悔することになるかもしれません。
そこで今回は、マンションの最上階に住みたいと考えている人に向けて、メリットとデメリットを説明していくほか、部屋の位置や方角によっても異なる物件の資産価値について紹介していきたいと思います。
現在、マンションの何階を買えばよいのか悩んでいる方や最上階の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
【メリット②】資産価値が高い。売却の際、早く・高額で売れる可能性がある
【デメリット④】他階と比較した際、値段が高めに設定されている
まとめ|住戸の良さは一長一短!優先順位を決めて、納得のいくマンションを購入しよう
マンションの階数によって値段が異なるのはなぜ?
面積や間取りなどの条件に違いがあれば価格が異なるのも当然ですが、全く同タイプの住戸であっても「階数」により価格が異なっています。なぜなら、マンション住戸の価格決定も他の市場と同じように、需要がある物ほど高くなり低い物ほど安くなるという市場原理が働いているからです。
仮に、全室の販売価格が同じマンションがあると想像してみてください。小さな子供がいる家庭や高齢者であれば低層階を求めることもありますが、おそらく多くの人が眺望や日当たりのよい高層階の住戸を選ぶでしょう。
販売する不動産会社側からすると、不人気物件を出す訳にはいきませんよね。そこで、低層階住戸の販売価格を下げ、高層階の販売価格を上げることで需要を平均化させているのです。実際、新築分譲マンションの申し込み状況を見てみると、最上階住戸の倍率が一概に高いわけではありません。逆に販売価格が高すぎて最上階が売れ残ってしまうケースさえあります。
最上階のメリットとは?
低層階や中層階の住戸にもそれぞれメリットはありますが、最上階に住むことでしか得られない満足感は格別です。
マンションの最上階住戸には、いったいどんなメリットがあるのでしょうか?
【メリット①】開放感があり、見晴らし・眺望が良い
最上階に住むメリットは?と聞かれて最初に思い当たるのは、何と言っても見晴らしのよさでしょう。「広大な青い海が見渡せる」「四季折々に変化する山々が望める」「街のシンボルやランドマークが見える」など、自宅の窓から美しい景色を眺めることができるのは、最上階に暮らす上での醍醐味と言えます。
さらに、周辺建物による影響が少なく他者の目を気にすることもないので、カーテンを開けっぱなしで生活できるのもメリットです。特に曇りや雨の日は、カーテンが一枚ないだけでも、室内の明るさは全く異なると言ってよいほど違いが見られるでしょう。
【メリット②】資産価値が高い。売却の際、早く・高額で売れる可能性がある
マンションの資産価値は周辺施設の充実度や立地のよさ、マンションの管理体制によって決まるところが大きいです。
しかし、資産価値を決定する条件が全く同じとなる1棟のマンション内で比較するとどうでしょうか?
資産価値が高いということは、言い換えれば買いたい人が大勢いるということです。新築・中古を問わず最上階の住戸は、プレミア感が高く他階に比べて断然人気があるのです。
また、「転勤があるので早く売却しなければならない」「子供の進級・進学の時期に合わせたい」「新年を新しい住居で過ごしたい」など、マンションの売却時にはスピードが求められることも多くあります。その点でも人気がある最上階なら、早く確実に売却できる可能性が高くなるため安心です。
さらに最上階は、経年しても値下がり幅が小さい傾向にあるため、想像していたよりも高値で売れることも期待できます。
資産価値についてはこちら:「資産価値の落ちにくいマンション」の選ぶための10のポイント
【メリット③】日当たり、風通しが良い
最上階は、近隣建物の影がかからないので日当たりは抜群によくなります。太陽が昇っているうちは照明を点ける必要がなく、冬季は暖房器具を使わなくてもポカポカと暖かいので、光熱費を節約することも可能です。
また、日中は外出することが多く日当たりのよさを体感できない人も「厚手の洗濯物もよく乾く」「観葉植物がスクスクと育つ」「カビの発生が抑制される」といったところで、陽射しのありがたみを感じられるはずです。
カビ対策に関しては日当たりのほか通風を心がけることも重要になりますが、最上階は風通しもよいのでダブルの効果でカビ発生を抑制することができます。あまりにも風が強いときは開けっ放しのドアが勢いよく勝手に閉まったり、閉まっているドアがカタカタと鳴ったりすることもありますが、暑い夏場には風通しのよさが救いになるでしょう。
日当たりについてはこちら:「日当たりは南向きがいい」って本当? 後悔しない、日当たりのいい住まいの見つけ方
風通しの良さについてはこちら:風通しの良い家を作るには? 間取りと窓の配置に注目!
【メリット④】防犯面やプライバシー面に利点がある
10階建て以上の高層マンションや高さ60mを超える超高層マンションの最上階にもなると、歩行者や駐車場で乗降りする人の視線を気にする必要がないのでプライバシーを保ちやすくなります。他人の目を意識せずにゆったりくつろげるのは最上階に住む人の特権です。
しかし、他人の目がないからといって、開放的になりすぎてはいけません。外出の際、窓の錠やドアの鍵をかけ忘れることで、窃盗の被害に遭っている人が多少なりともいるため、注意が必要です。
(参照:警視庁 住まいる防犯110番『侵入窃盗の発生場所別認知件数(平成27年)』より)
平成27年に警視庁が発表したデータによると、侵入窃盗の発生場所は「住宅」が59.0%と過半数を占めています。そのうち、「3階建以下の共同住宅」は12.9%、「4階建以上の共同住宅」は僅か4.6%です。
このデータから見て取れるように、高層階に住んでいれば窃盗被害に遭う確率は圧倒的に少なくなります。
それにも関わらず被害に遭う人がいるのは、階数が高いことで泥棒がやって来ないと油断しているからです。窃盗犯のなかには、10階程度の高さであれば排水パイプなどを登って窓から侵入してくる者もいます。
上の階に住むほど防犯への意識が緩むことが多いので、もし最上階に住むことになっても、窓ドアの施錠を忘れないように心がけましょう。
【メリット⑤】上からの物音がしない
当然ですが、最上階の上には誰も住んでいないので、上階からの物音にストレスを感じることはなくなります。近年では上下階を仕切るコンクリート厚(スラブ厚)を厚くし、クッション材が裏打ちされた仕上材を用いることで、遮音性能を高めた物件も多くなっています。
しかし、防音対策を施したマンションであっても、完璧に生活音を防ぐことはできません。特に小さな子どもがいる部屋の階下に住んでしまうと、泣き声や足音などの騒音に悩まされることがあるようです。
外からの騒音については、サッシの遮音性能によるところも大きいのですが、窓を閉めきってさえいれば気になることはありません。
ただしマンション前に交通量の多い幹線道路や高速道路がある場合は、窓を開けていると車の走行音や風の音が混じり合った「ゴー」という音が気になることがあります。
最上階のデメリットとは?
人気の最上階ですが、メリットだけという訳にはいきません。残念ながらデメリットを感じてしまうこともあります。デメリットの影響は、建物が高層であるほど顕著になることが多いようです。
【デメリット①】冷房が効きにくく、夏場は特に暑い
日当たりのよさが災いして、夏場は暑さに苦しむことになります。「今日は異常に暑いな」と思って外に出てみると、意外と涼しかったということはよくあります。特に西向きの部屋は、午後から強い陽射しが差し込み、室内に熱がこもった状態が夜まで続くほどです。
夏場、室内に入る熱の70%以上は窓からによるもので、さらに最上階の場合は直射日光を受ける屋根からも熱が伝わってきます。そのため、近年では遮熱効果が高い窓ガラスを採用したり、屋根に断熱効果の高い処理を施したりしている物件が増加傾向にあります。暑がりの人は、お気に入り物件の断熱や遮熱の性能をチェックしておきましょう。
【デメリット②】エレベーターの待ち時間が長い
最上階のデメリットとしてよく耳にするのが、エレベーターの待ち時間が長いということです。製品によって異なりますが、マンションに用いられるエレベーターの速度は、一般的に分速30~60mほどです。通常、エレベーターは1階に待機しているので、下から上まで往復すると2分ほどかかる計算になります。さらに他の階からの乗り降りする人がいたり、乗りたいときに下降中だったりすると、それ以上の時間がかかってしまいます。
わずか数分だと思うかもしれませんが、エレベーター内で忘れ物に気付いたときなどは、また最上階まで昇ってから降りなければならず、更に時間がかかってしまいます。
出勤や通学前などの慌ただしい時間帯は、エレベーターを待つ時間なども考慮しなければなりません。
高層階に住んでいる人のなかには、何となく外出するのが億劫になり太ってしまう人もいるようですが、高さが10階以下のマンションであれば運動不足解消のためにも階段を利用してもよいかもしれません。エレベーターを待ってイライラすることもなくなりますし、状況によってはエレベーターより早く1階へ降りることも可能です。
【デメリット③】地震や火災などの災害時に最も影響を受ける
最上階住戸で非常に気がかりなのは、災害時に上手く対処できるかという点です。特に地震が起きたときは小さな震度でも揺れが大きくなってしまうため、家具を固定するなどの安全対策は必ずしておくとよいでしょう。また、大地震の際はエレベーターが使用できなくなり、階段を利用した上下階の移動が難しくなってしまうことも考えられるので、水や食料などの備蓄品は多めに用意しておくべきです。
一方で火事については、建築基準法や消防法に基づいた防火設備が設置されているため、小規模の火災ならさほど心配する必要はありません。実際、火災の発生件数や死者数については、マンションより戸建住宅のほうが圧倒的に多いというデータがあります。
(引用:消防庁『平成27年(1月~12月)における火災の状況』より)
消防庁発表『平成27年(1月~12月)における火災の状況』による平成27年の統計によると、マンションを含む共同住宅での火災発生件数は戸建住宅の約半分、死者の発生した件数は4分の1ほどしかいないのです。とは言うものの、火災の発生がゼロというわけではありません。
いざという時に落ち着いて対処できるよう、発災時の行動ルールをあらかじめ考えておいた方がよいでしょう。
【デメリット④】他階と比較した際、値段が高めに設定されている
最上階住戸の価格は分譲・賃貸を問わず、他階と比べると高めに設定されています。マンション住戸の価格は階数が上がるにつれて高くなっていくので、高層マンションであるほど価格差は顕著に現れます。価格に見合った価値を見出すことができれば満足できますが、最上階に価格ほどの魅力を感じなければデメリットと感じる人もいるでしょう。
ただし中古マンションの場合は、売主の事情やリフォーム状態により、必ずしも最上階が1番高くなるわけではありません。また、他階に比べ価格が高い場合であっても、差額に大きな開きがないこともよくあります。予算を抑えてでも最上階に住みたいと考えている人は、中古マンションを探してみると思わぬ掘り出し物件が見つかるかもしれませんよ。
階数だけではなく、方角や住戸の位置についても検討しよう
マンション選びのポイントは階数だけではありません。方角や住戸の位置も付加価値を高める要素になっています。
例えば、売れ筋の方角は日当たり抜群の南向きが1番人気ですが、暑い西日を避けることのできる東向きも買い手に受けがよい方角です。住戸の位置に関しては、隣戸に挟まれた中住戸よりも、3方向に窓が設置された角住戸がおすすめです。
つまり、最上階の南東にある角住戸こそが、マンション内で最も希少価値が高い住戸ということになります。
方角や住戸の位置だけではなく、住戸とエレベーターの位置関係によっても、物件の価値が異なることがあります。エレベーターから近い住戸はすぐに乗り込むことができる反面、足音や話し声、機械音がうるさいため価格が安くなる傾向にあるのです。
エレベーターから遠い住戸は歩く距離が長くなりますが、共用スペースで発せられる騒音については軽減されるので、価格が高くなることが多いようです。
まとめ|住戸の良さは一長一短!優先順位を決めて、納得のいくマンションを購入しよう
マンション最上階のメリット・デメリットを見ていきました。「もしマンションを購入するのであれば、最上階がよい」と考えている方も多いかと思いますが、住戸の良し悪しはどのようなライフスタイルを送りたいかによって異なります。
また、最上階住戸は人気があるため資産価値は高くなりますが、必ずしも「居住性」や「安全性」に優れているわけではありません。
マンション選びの際は、最上階であることにこだわらず「自分や家族の生活に合っているか」「ライフステージの変化に対応できるか」など、実際住んだときのことを想像しながら、何を優先すべきか決めて冷静に判断するようにしましょう。
例えば、コスモスイニシアでは、新築物件だけではなく、中古物件やリノベーション物件も取り揃えています。
最上階はもちろん、エリアやこだわりからなど希望する物件を探すことができるので、様々な条件や間取りの中から自分にピッタリの住まいを見つけてみてくださいね。
2017/06/01時点での情報です。