不動産売却をするための必要書類とは?準備をするタイミングもあわせて解説

不動産売却をするための必要書類とは?準備をするタイミングもあわせて解説
不動産売却をするには、さまざまな書類が必要になります。

土地やマンション、一戸建てなど、売却する不動産の種類によって必要書類は異なるため、不動産売却前にはどのような書類が必要になるのか、把握しておくのがおすすめです。

本記事では、不動産売却をするための必要書類を詳しく解説していきます。準備をするタイミングや特殊ケース時の必要書類もあわせて紹介していくので、自分のケースが当てはまるという場合は、参考にしてください。


目次

不動産売却時に必要な書類

一戸建て・マンション・土地に共通する必要書類

不動産の種類によって必要な書類

マンション売却の場合

一戸建て編の場合

必要書類を準備するタイミング

査定依頼前に準備する書類

不動産会社と媒介契約を結ぶ前に準備する書類

売買契約を結ぶ前に用意するもの

決済(引渡し)の前に用意するもの

買主に引き継がれるもの

まとめ

 

不動産売却時に必要な書類

不動産売却時に必要な書類
不動産売却に必要な書類は、共通しているものもありますが、土地・マンション・一戸建ての種類別に異なります。書類の種類によっては、平日にしか受け取れないものもあるため、事前に準備しておくのがおすすめです。

一戸建て・マンション・土地に共通する必要書類

まずは、一戸建て・マンション・土地に共通する必要書類から見ていきましょう。
中には平日にしか受け取れないものや、取得までに時間がかかるものもあるので、余裕を持って揃えるように心がけましょう。

登記済証(権利証)または登記識別情報

登記済権利証、登記識別情報は、登記名義人がその物件の真の所有者であることを証明する書類です。

法務局が登記名義人に対して交付します。

本人確認書類

不動産取引(媒介契約、売買契約、決済など)を進める際には、本人であることを確認するため、健康保険証、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの身分証明書の提示が求められます。

共有名義の物件を扱う場合、特に共有名義者が複数いる状況では、全員の本人確認書類が求められます。相続による共有名義や、共有名義者が遠方に住んでいる場合などでは、これらの書類の準備に余裕を持って対応することが重要です。

固定資産税、都市計画税納税通知書の写し

固定資産税や都市計画税の納税通知書は、売主が税額を説明し、また未納の税金を清算する際に必要とされる書類です。これらの通知書は通常、年に一度、自治体から郵送されます。

書類を紛失した場合は、再発行ができる場合と、再発行されない場合は公課証明という書類が必要になる場合がありますので、不動産が所属する自治体の税事務所に確認をしましょう。

実印・印鑑証明書

物件名義の変更には、実印とその印鑑証明書の提出が求められます。印鑑証明書は、区役所等の窓口や、行政サービスコーナーで取得でき、マイナンバーカードを利用すればコンビニエンスストアでも発行できるサービスがありますので、忙しい方にも取得しやすいです。

印鑑証明書には有効期限はありませんが、不動産取引においては発行から3か月以内のものを求められることが多いため、タイミングを合わせて取得しましょう。

固定資産評価証明書

所有権移転登記の際の、登録免許税を算出するために必要な書類です。ここに記載される不動産の評価額は原則3年に1度見直されるため、適切なタイミングで取得しましょう。

区役所等の固定資産課税課の窓口で取得できますが、コンビニエンスストアでの発行が可能な自治体もあります。

住民票

発行から3ヶ月以内のものを求められるため、取得するタイミングに注意しましょう。また、売却する不動産の住所が記載されているものが必要なので、先に新居に引っ越してから売却活動をする場合は、住所変更前に取得しておきましょう。区役所等の窓口や、コンビニエンスストアでの取得が可能です。

抵当権抹消書類

不動産を売却するためにはローンを完済して、設定されていた抵当権を抹消する必要があります。ローンが完済されると、契約している金融機関から抵当権抹消に必要な書類が発行されます。

多くの取引が、売却不動産の決済(引渡し)と同時にローンを完済して抵当権を抹消する手続きに入るため、これら一連の手続きは不動産会社とよく確認しながら進めましょう。

物件の鍵はもちろん、マンションの場合は駐車場、物置、宅配ボックスなど、物件に関連する全ての鍵およびセキュリティに関する情報(暗証番号含む)を購入者に引渡す必要があります。紛失している場合は、管理会社等に問い合わせて、物件の引渡しまでに揃えておきましょう。

通帳・キャッシュカード

決済時(引渡し時)、売却代金が振り込まれる銀行口座の情報が必要です。住宅ローンの残債がある場合は、返済口座の情報も準備しておく必要があります。

ローン残高証明書

住宅ローンを契約している場合、毎年契約金融機関から発行されます。売却時には、残高の一括返済が求められるため、いくらで売却すべきか確認するために大切な書類です。

不動産の種類によって必要な書類

不動産の種類によって必要な書類

マンション売却の場合

マンション売却に必要な書類を見ていきましょう。

分譲時のパンフレット

必ず必要な書類ではありませんが、間取り図など販売時に役に立つ情報がたくさんあるため、手元に残っている場合は、不動産会社に提出しましょう。

マンションの管理規約・使用細則等

マンションで暮らす上でのルールブックです。買主がリフォームをする場合にも必要な情報が記載されているので、不動産会社や買主へ提供できるように準備しておきましょう。

一戸建て編の場合

物件の間取り図

マンションと同様に、必ず必要な書類ではありませんが、間取り図など販売時に役に立つ情報がたくさんあるため、手元に残っている場合は、不動産会社に提出しましょう。

建築確認申請書、確認済証、検査済証

これらの書類は、新築時に建築基準法に準じた設計と建築が行われたことの証明となります。
これらの書類がなく、建築基準法に不適合と判断されると買主が住宅ローンの融資を受けることができません。必ず保管し、売却時には提出できるようにしておきましょう。

万が一の場合、区役所等の建築指導課などで、証明する書類を確認することはできますが、手間と費用もかかるので、手元で保管しておくことが大切です。

土地測量図・境界確認書

これらの書類は、売却予定の土地の面積、形状、隣地との境界を明確にするために使用されます。査定時に提出するのが理想的ですが、必要に応じて引渡し時までに準備してください。

もし、隣地との間で越境に関する覚書がある場合は、それも一緒に提出が必要です。

耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書(該当する場合のみ)

耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書は、物件の耐震性やアスベストの使用有無を証明するためのもので、築年数が古い物件では、これらの書類を提出することで購入検討者の信頼を得ることができます。

必要書類を準備するタイミング

必要書類を準備するタイミング
必要書類が分かったところで、続いては、準備するタイミングを解説していきます。

査定依頼前に準備する書類

物件の査定依頼前に準備しておく方がよい書類は、以下の通りになります。

  • 登記済権利証、もしくは登記識別情報
  • 固定資産税、都市計画税納税通知書の写し
  • 固定資産評価証明書
  • 物件の間取り図、設備の仕様書、パンフレット
  • 土地測量図や境界確認書
  • マンションの管理規約・使用細則
  • リフォーム済みの場合は、リフォーム内容と実施時期

物件の適正な価格を査定してもらうためには、物件に関する正しい情報が必要です。査定は1社だけではなく複数の不動産会社に依頼し比較検討し、仲介をお願いする会社を決めるようにしましょう。

不動産会社と媒介契約を結ぶ前に準備する書類

仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結ぶ際に必要な書類です。訪問査定などで依頼する不動産会社が決まったら準備しましょう。

  • 本人確認書類
  • ローン残高証明
  • 建築確認申請書、確認済証、検査済証
  • 物件の間取り図、設備の仕様書、パンフレット
  • 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書(該当する場合のみ)

売買契約を結ぶ前に用意するもの

  • 本人確認書類
  • 印鑑証明書、実印
  • マンションの管理規約・使用細則

決済(引渡し)の前に用意するもの

  • 登記済権利書、または登記識別情報
  • 本人確認書類
  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 抵当権抹消書類
  • 通帳・キャッシュカード

お取引き物件や内容によって必要書類や、提出するタイミングが異なりますので、仲介をお願いする不動産会社によく確認しましょう。

買主に引き継がれるもの

一般的に、不動産の売却によって、売主から買主に引き継がれる書類は、以下の通りです。

  • 売却不動産の鍵一式

マンションの場合

  • 管理規約・使用細則

一戸建ての場合

  • 土地測量図
  • 境界確認書(越境の覚書も該当する場合のみ)
  • 建築確認申請書・確認済証・検査済証
  • 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書(該当する場合のみ)

まとめ

不動産の売却にあたってはさまざまな書類が必要になります。不動産の種類によって必要なものが異なったり、日頃あまり取り扱うことのない書類もあります。取得方法やタイミングもさまざまなので、余裕のあるスケジュールで準備していきましょう。

※記事中の写真は全てイメージです。