コスモスイニシアのESGのこと

ESGってなんだろう。

コスモスイニシア、入社3年目。
ようやく仕事が板についてきた私に、
最近よく聞くあの三文字の
試練が降ってきた。

向かいのビルのあの会社も、
隣のビルのこの会社も、
みんなみんな考えている。
うちだって、もちろんしっかり考えているし、
やっている。
でも、掴めないのがESGなんだ。

ESGはとても大事。
私だって、理解はしている。
自然環境、社会問題、
企業としての秩序の遵守。
それが、これからの社会の、”当たり前”。
でも、実感がわかないのがESGなんだ。

だって、話が大きすぎる。
私たちがこれまで大事にして、
考えてきたのは、
目の前にいる人たちの日々の暮らし。
なのに、いきなり地球規模のことなんて。

でも、
取り組まなきゃいけないのがESGなんだ。

私たちにとって、ESGってなんだろう。
シロクマは答えてくれないし、
上司も疲労困憊。
ああ、コーヒーも冷めちゃった。

コスモスイニシアの取り組みって、
もっと身近な誰かを見つめること。

子どもが野原を駆け回り、
永く愛せる住まいや、
人とひとをつなげる地域のイベント、
ルールに縛られすぎない
一人ひとりの想いが尊重される社内環境。

大きな事じゃないけれど、
等身大で、もっと身近で、確実に存在する、
小さくても大切なことをカタチにしていく。
それが私たちのやりたいこと。




それって、ESGじゃなくて、esg ?!

僕と父親のキャンプ場。

コスモスイニシア、入社10年目。
キャンプ好きだからという理由で
担当になったESG活動の一環となる
環境配慮型のマンション開発。

連休前の金曜日。早めに仕事を切り上げて、
いつもならお疲れさまの飲み会で
ビールでも煽りたいところだが、
なぜか胸の奥につかえるものを感じた僕は、
飲み会を断り、
キャンプ場に向けてバイクを走らせていた。

幼い頃から、父親と一緒にきていたキャンプ場。
火の熾し方、テントの張り方、生き物の名前、
父親からたくさんのことをここで学んだ。

焚き火の音が、幼い記憶を呼び起こし、
木の香りいっぱいに深呼吸をした、
そんなとき。

だれかに自分の名前を呼ばれた気がした。

ふりかえると、凛とたたずむ鹿が、森のなかから、
何か伝えたそうにじっとこちらを見つめている。

僕はふと、
あのマンション開発のことを思いだした。
環境性能や持続性だけでなく、
あの自然の中で育まれる子どもたちの思い出にまで、
目を向けられていただろうか。
父親や僕が愛したこのキャンプ場のように、
世代をこえて、永く愛され、永く暮らしを
育んでいけるような場所づくりができているだろうか。
僕たちの仕事は等身大の眼差しで、
そんな身近なことに目を向け、
大切な場所や環境をつくりだしていくこと。

それが、僕たちのesgなんだ。

胸の奥につかえていたものが
スッと消えていくのを感じた。

ふと気づくと、そこにもう鹿の姿は無かった。



口数は少ないが、いつも大切なことを教えてくれた
父親のことを思い出しながら、
僕は燻り始めた火の中に新しい薪を焚べた。

子育てとガバナンス。

コスモスイニシア、14年目。
新卒で入社したときから、
あっという間に10年以上が過ぎた。
かわいい後輩もたくさん増えた今、
私の仕事は彼らが働きやすい環境を作ること。

今日のランチは、ずっとお世話になっている先輩と。
エンジン全開で突っ走っていた新人の頃から、
何かにつけて、話を聞いてもらってきた。

フォークにパスタを巻きつけながら、
仕事の話も、プライベートの話も、
つもる話を投げかける。

「あれもこれもダメ!っていいたくないんです」
6歳になって、できることが増えてきた息子に、
のびのび育ってほしいのに、
私がストップをかけてしまう。

最後のひとくちを食べながら、
ぽつりとこぼした私の悩み。

「親と子じゃなくて、人とひとだよ」
人としてダメなことは伝えてあげるけど、
それ以外は一人の人として見守っていく。
「向き合い方を変えてみたらいいんじゃない?」
なによりも人を大切にする、先輩らしいアドバイス。

食後のコーヒーといっしょに、私の心にしみていく。

そういえば、先輩は入社した時から
「人とひと」で向き合ってくれた。
それぞれの得意が違うから、
上司も部下も関係ないんだと
私の個性が大切にされる、
そんな職場をつくってくれた。

そんな先輩のおかげで、私もここまでこれたんだ。

もしかして、
子育てとガバナンスって似てるのかも。
やっちゃダメなことは教えつつ、
息子には、
自由にすくすく育っていってほしい。
後輩には、
リスク回避や法令遵守も学んでほしいけど、
自分の意思でまっすぐに可能性をひろげてほしい。

ぼんやりと見つめていたお冷の水滴から、
はっと顔をあげた。

育児も、会社も、
思いっきり育つ環境をつくらなきゃ。

一人ひとりに「人とひと」として
とことん向き合いながら、
自身の発意を信じ、できることを考え、
可能性を広げていく。

それが、私たちのesgなんだ。

about

コスモスイニシアのESGというよりesgのコト

自然環境、社会問題、
企業としての秩序の遵守。
よりよい未来に向けて、
社会全体が当たり前のように
行動しなくてはいけないESG。

もちろん、それはとても大事なことです。

だけど、私たち一人ひとりが行動するには、
話が大きすぎて実感がわかないのです。

私たちは、つくり手である前に、
生活者です。

私たち自身が生活者の眼差しで、
身近な暮らしの中にある大切なことや、
暮らしがもっと豊かになる小さなヒントを日々集め、
お客さま一人ひとり
の安心や喜びをカタチにしていきたい。
それが私たちの願いです。

だからこそ、実感がわかないのです。

「ここに住む子どもたちに自然の中で遊ぶ楽しさを感じてほしい」

「壊して新しいものをつくるだけでなく、その建物にあった思い出も大切にしたい」

「ルールで縛られすぎない、一人ひとりの個が尊重される気持ちの良い職場でありたい」

そんな、確実に目の前にある身近なことから
私たちのesgは、始まります。

「子どもたちのために残した自然は、きっと永く愛され、永く暮らせる場所になっていく。」

「大切にされたその場所の思い出は、きっと新しい地域のつながりを生んでいく。」

「一人ひとりが自然体でのびのびと働ける職場は、きっと、また新しい価値を生み出していくことができる。」

身近で小さな単位かもしれないけど、
確実にある豊かさの積み重ねが、
いずれ大きな変化の兆しをつくっていく。

それが、
私たちの考えるESGというよりesgのコトです。