【不動産売却ガイド】家を売るために必要な基礎知識と手順総まとめ
家を売るなら、できるだけ高く、早く、手間なく売りたいですよね。
住まいを売るためには、事前にある程度の基礎知識を勉強しておくことが大切です。
大きなお金の動く不動産売却は、絶対に失敗できない、人生における一大イベント。
損をせずに賢く住まいを売却するために、詳細な専門の知識は必要ありませんが、不動産売却の大まかな流れと、最低限の基礎知識を学んでいきましょう。
この記事では、家を売る前に絶対知っておくべき3つの注意点と、不動産売却の手順、そして家を売るときによくある疑問をチェックしていきます。
少し長い記事ですが、「住宅を売る前にもう少し準備しておけばよかった」と後悔しないで、安心して手続きができるように、最後まで目を通してみてくださいね。
目次
事前に知っておくべき3つの注意点
不動産売却を始める前に、最低限知っておくべき注意点が3つあります。
1 「高く」と「早く」の両立は難しい
2 売却査定額のまま住まいが売れるとは限らない
3 売却益に対する税金や、仲介手数料などの諸費用は意外に高額
これを理解しないまま家の売却を始めてしまうと、「住まいが見込んでいた額で売れず、新居の頭金を用意できなかった」「減税措置が適用できるのに、知らなかったので受けられなかった」といった事態を招きかねません。
まずは、不動産売却において大前提である3つの注意点を理解していきましょう。
注意点1.「高く」と「早く」の両立は難しい
「できるだけ高く、そして早く売りたい」。
それが売主の本音だと思いますが、「高く売る」ことと「早く売る」ことを両立するのは難しいといえます。
明確な売却期限を設定しているなら売却価格を、目標の売却価格を設定しているなら売却時期や期間を、ある程度柔軟に考える必要があります。どちらが大切かしっかりと比較しておくとよいでしょう。
たとえば、3,000万円の相場の住宅があったとしましょう。
このとき、2,000万円で売ればすぐに買い手がつき、早く売ることができるでしょう。しかし、売却目標金額が3,500万円で、絶対にその金額を妥協できないというのであれば、時間をかけてでも「その金額でもほしい」と考える人を探す必要があります。
もちろん、たとえ相場より高い値段で売り出しても、すぐに買い手がつくことがないわけではありません。
しかしそれは稀なケースです。
早く売りたいならある程度の価格設定に対して柔軟な対応を、逆に高く売りたいなら長期戦も覚悟しておいた方がよいでしょう。
注意点2.売却査定額のまま売れるとは限らない
売却査定で査定額がわかると、「その額で売れること」を前提に資金計画を立ててしまいがちです。
しかし、提示された査定額と実際の売却価格は、必ずしも同一ではありません。
家の売却では、なかなか売れないために販売価格を引き下げたり、買い手からの値下げ交渉があったりして、実際の売却額が査定額を下回ることは珍しくありません。
売却査定額がそのまま手元に入ってくると仮定して資金計画を立てていると、すぐに計画が破綻してしまう可能性があります。
査定額がそのままで売れると思わず、ある程度低く見積もるようにしましょう。
注意点3.売却益に対する税金や、仲介手数料などの諸費用は意外に高額
実際に買い手がついて売却価格が決まったとしても、そのお金がそのまま売主の手元に入ってくるわけではありません。
家を売って利益を得た場合は税金を支払わなければなりません。また利益にかかわらず仲介手数料などの諸費用を支払う必要があります。
売却額からそれらの出費を差し引いたものが、実際に手元に入ってくるお金になります。
不動産売却時の税金は、意外に高額です。
家を売って利益が出る、つまり家を買ったときよりも高く売ることができた場合は、多い場合百万円単位の税金が発生する可能性があります。
また、仲介手数料も意外に大きな負担となります。
不動産売却の仲介手数料は、一般的に下記の速算法を用いて算出します。
仲介手数料=売買価格×3%+6万円
この計算式に当てはめると、たとえば家が3,000万円で売れた場合、仲介手数料が96万円となります。決して安い金額ではないですよね。
売却金額が高額になればなるほど、仲介手数料も高額になるのです。
他にも、不動産売却時には、「住宅ローン抵当権抹消費用」や「土地境界確定測定費用」など、さまざまな費用がかかります。
事前に大まかな税金や諸費用を計算して、実際に手元に入ってくるお金がいくら程度なのか、目安を立てておきましょう。
不動産売却の流れ
次に、不動産売却の大まかな流れを図を用いて解説していきます。
不動産の売却は、一般的に、下図のような手順で行われます。
事前準備から引き渡しまでには、一般的に半年程度かかります。
それより短い期間で売りたい場合は、不動産会社に相談してみると良いでしょう。
それでは、各手順を一つずつ説明していきます。
手順1.事前準備
家を売ると決めたら「まずは売却査定!」と気が急いてしまいがちですが、売却査定を受ける前に、下記のような準備を行っておきましょう。
- 近隣の相場を調べる
- 境界を明確にする(土地の場合)
- 必要書類を用意する
これらの準備は、売却査定をスムーズかつ正確に進めたり、売却後のトラブルを避けたりするために必要なことです。
少し手間のかかるものもありますが、一つずつ確認していきましょう。
事前準備1:近隣の相場を調べる
売却査定の前に、近隣相場をチェックしておきましょう。
その理由は、現在の相場を理解しないまま査定を受けてしまうと、提示された査定結果が妥当なのかどうか判断できないからです。
悪質な業者に騙されないためにも、事前に相場を把握しておくことが必要です。
中古住宅を販売している無料のWebサイトでチェックしていくのも良いですが、国土交通省の「土地総合情報システム」を活用すれば、無料で簡単に信頼できる情報を調べられます。
アクセスすると上の画像のようなページが表示されるので、左上の「不動産取引価格情報検索」をクリックして、売りたい家の地域を選択しましょう。
すると、任意の期間における実際の不動産販売価格がわかります。
売りたい家があるエリアの最新相場を把握して、売却査定のときにその情報と比較し、査定額が妥当かどうか判断できるようにしておきましょう。
事前準備2:境界を明確にしておく(土地の場合)
土地や、土地を含む一戸建てを売却する場合、「どこまでが自分の土地なのか」を明確にするために、土地境界確定測量を行うことが一般的です。
測量は義務ではないのですが、土地を売る場合は、ほぼ確実に「境界確認書」の提出を求められます。境界が明確でないと売却後のトラブルに繋がる可能性もあるので、測量しておくことをお勧めします。
なお、境界が確定するまでは、3~4カ月程度かかります。
早めに始めて、売買契約時には境界確認書を用意できるようにしておきましょう。
事前準備3:必要書類を用意する
売却査定を受ける前に、査定に必要な資料を用意しましょう。
【売却査定に必要な資料】
- 売却する不動産の「売買契約書」
- 売却する不動産の「重要事項説明書」
- 売却する不動産の「登記簿謄本(土地・建物)」
- 売却する建物の「図面・仕様書」
- 売却する土地の「測量図・境界確認書」
これらの書類は、必ずしも「用意しなければ査定が受けられない」というわけではありません。
しかし、上記書類を用意することで、査定額算出の精度向上が期待できます。
「しっかりと資金計画を立てるために、できるだけ詳しい査定額を算出したい」という方は、前もって用意しておくことをお勧めします。
手順2.売却査定
事前準備が終わったら、実際に売却査定を受けましょう。
不動産の売却査定には、下記2種類があります。
- 簡易査定(机上査定)
- 訪問査定(実査定)
・簡易査定(机上査定)
簡易査定は、物件のエリアや築年数などの情報をもとに、大まかな査定価格を出す方法です。机上の情報だけで算出するので、「机上査定」ともいわれます。
簡単な情報を提供するだけで、素早く回答が得られます。ただし、室内の状態や管理状況、日当たりの確認など実際の物件を見ているわけではないので、近隣の相場や公示価格などを基にした大まかな査定価格しか得られません。
・訪問査定(実査定)
訪問査定は、実際に営業マンが訪問し、物件の現在の状態などを細かく調査して査定価格を出す方法です。データだけではわからない、物件の魅力や周囲の環境などを反映して算出します。
実際の物件を見て査定することから、「実査定」ともいわれます。
訪問対応が必要なので、手間や時間はかかりますが、簡易査定よりも詳しい査定価格が得られます。
簡易査定のみで家を売ることはない
2種類の査定方法のうち、簡易査定のみで家を売ることはありません。
簡易査定を受けたあとは、確実に訪問査定を受けることになります。
早く売りたいと考えている人は、簡易査定を飛ばして訪問査定から始めると良いでしょう。
なお、査定を受けるときは、1社だけでなく複数社から見積もりを取ることをお勧めします。
査定価格はもちろん、「査定額だけでなく根拠を明示してくれるか」「相談に親身に乗ってくれるか」など、担当者の対応もチェックして、一番良い会社を選ぶようにしましょう。
手順3.媒介契約
売却査定が終わったら、実際に売却活動を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約とは、サービス内容や契約期間などを法的(宅地建物取引業法第34条の2)に定めるもので、下記3種類に分けられます。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれの違いを、下表にまとめました。
表からわかる通り、「一般媒介契約→専任媒介契約→専属専任媒介契約」の順に、制限が厳しくなっていきます。
どの方法を選べば良いのかは、状況によって異なるため、一概にはいえません。
それぞれにメリットとデメリットがあり、販売する物件の条件などによって、選択するべきものが変わってくるからです。
たとえば、一般媒介契約は複数の会社と同時に契約できますね。
しかしその分、不動産会社側は「この物件を売ることで確実に自社の利益になる」という確約がないため、損失を避けようとしてあまり広告費を割かない可能性があります。つまり、あまり多くの人の目に触れず、買い手がなかなか現れないおそれがある、ということです。
また、販売状況を報告する義務がないため、進捗がわかりづらくなる可能性もあります。
他にも、「レインズ」と呼ばれるオンラインの物件情報システムへの登録義務がない、という点も注意が必要です。
レインズとは、市場に出ている多くの物件が登録されている不動産業者独自のシステムです。レインズに物件を登録すると、媒介契約している不動産会社以外にもあなたの不動産が売り出し中であることが伝わります。 つまり、媒介契約していない不動産会社も、あなたの物件を自社の顧客に紹介してくれるようになるのです。
レインズに登録しないということは、物件を宣伝する機会が減るということです。あなたの物件をより多くの人に知ってもらうためには、レインズへの登録も1つのポイントとなってきます。
では、一般媒介契約は良くないのかというと、そんなことはありません。
広告費を割かなくても売れるような好条件の物件であれば、一般媒介契約で十分な可能性があります。また、「家を売っていることを周囲に知られたくない」などの希望がある場合は、むしろレインズ登録義務がないことは利点となるかもしれません。
このように、物件の条件や売り主の意向や理由によって、どの契約が最も相応しいかは変わってきます。
売却査定のときに担当者に相談してみて、一番納得のいく媒介契約を勧めてくれた会社と契約すると良いかもしれませんね。
手順4.内覧対応
媒介契約を結んで実際に販売活動を開始すると、「家を見てみたい」という内覧希望者が現れます。これは部屋を賃貸するときと一緒ですね。
物件の内覧する人は、自分の目で見ることで、間取り図や写真などだけではわからない物件の価値を見極めようとしています。
物件の良さをきちんとアピールして好印象を与えることができれば、成約の可能性はグッと上がるのです。
内覧対応で良い印象を持ってもらうためには、下記のようなポイントに気を付けると良いでしょう。
- 事前に掃除して綺麗にしておく
- 内覧希望者の要望には柔軟に応える
- 内覧時には丁寧に接し、物件の情報をきちんと伝える
どれも当たり前のことですが、これをしているかしていないかで印象は大きく変わります。
家の売却は買い手がいて初めて成立するものなので、できるだけ良い関係を築けるよう心がけましょう。
なお、この内覧対応が面倒だと感じる場合は、業者買取サービスを利用するのも一つの手です。
業者買取サービスとは、家を一般の個人ではなく不動産会社に買い取ってもらう方法です。買取価格は相場の70~80%と安くなってしまいますが、売却にかかる時間と手間は大幅に軽減されます。
できるだけ早く手間なく売りたい方は、買取も視野に入れることをお勧めします。
手順5.売買契約
内覧で物件を気に入ってもらえて成約に至ったら、売買契約を結びます。
売買契約では、さまざまな書類などが必要になります。下記に一例としてまとめてみました。
【一戸建て、マンションによらず必要なもの】
- 印紙代
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書
- 本人確認書類(免許証、健康保険証など)
- 登記済権利書もしくは登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 固定資産税評価証明書
- 仲介手数料(現金または小切手)
【一戸建ての売却で必要なもの】
- 建築確認通知書および検査済証
- 土地測量図および境界確認書 など
【マンションの売却で必要なもの】
- 管理規約、使用細則など
- マンションの維持管理費に関する書類 など
耐震診断やアスベスト使用調査を受けている場合は、その報告書も用意しておきましょう。
必要なものが随分と多いですが、事前に不動産会社から説明があるので、落ち着いて用意すれば大丈夫ですよ。当然ですが、賃貸借契約と違って、売買契約は一度結ぶとなかなか解約できません。
ただし、「住宅ローン特約」や「買い替え特約」が付いている場合、買い主の都合によっては契約が白紙解除される可能性があります。
これらの特約は、それぞれ「買い主がローンを組めなかったら契約が解除される」「買い主が自分の家を売れなかったら契約が解除される」という、買い主側の事情での白紙解除を認める内容になっています。
契約がキャンセルされると、当然、また一から販売活動を再開することになってしまいます。
契約を結ぶ前には、特約の有無だけでなく、買い主側の状況も確認しておきましょう。
手順6.決済・引き渡し
売買契約が結ばれたら、日程を調整し、実際に決済と引き渡しを行います。
引き渡しの手続きの際には、主に下記書類などを用意します。
- 所有権移転登記関係の書類
- 抵当権抹消関係の書類
- 建築確認関係の書類
- 設備などの取扱説明書
- 設備などの保証書
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書
- 物件の鍵
- 仲介手数料(現金または小切手)
- 代金などの領収書
こちらも、事前に不動産会社の案内に従って用意しておきましょう。
所有権移転登記の申請は司法書士に依頼することが一般的ですし、抵当権抹消は金融機関とのスケジュール調整が必要です。焦らなくていいように、余裕をもって用意することをお勧めします。
なお、不動産の引き渡し時には、退去が完全に済んでいることが原則です。
事前に引っ越す必要があるので、引き渡し前はかなり慌ただしくなります。不動産会社とよく相談しながら、抜けがないように準備しておきましょう。
みんなどうしてる? 家を売るときのよくある悩み
流れが把握できて「よし、いざ家を売ろう!」と思っても、不安だったり疑問だったりするポイントがありますよね。
ここでは、家を売るときに多くの方がぶつかってしまう、下記5つの疑問を解消していきます。
- とにかく高値で売りたい! 高く売るポイントはあるの?
- ローンを完済していない。残債があっても家を売れるの?
- リフォームをする or しない、どっちを選べばいい?
- 家が古いから解体しないと売れないかも。どうしたらいい?
- ご近所に知られずに家を売ることはできる?
一つずつ説明していきましょう。
Q1.とにかく高値で売りたい! 高く売るポイントはあるの?
「とにかくできるだけ高く売りたい」という方は、下記3つのポイントを押さえておきましょう。
- 長期戦も覚悟して、じっくり取り組む
- 掃除とコーディネートを丁寧に行う
- 売却に強い不動産会社を選ぶ
長期戦を覚悟して、じっくり取り組む
先述した通り、「早く」と「高く」の両立は基本的に難しいといえます。
高く売りたいのであれば、長期戦も覚悟して、焦らずじっくりと取り組みましょう。
掃除とコーディネートを丁寧に行う
内覧時の印象は、「買う・買わない」の判断を大きく左右します。
できるだけ良い印象を持ってもらえるように、掃除は丁寧に行いましょう。
特に、汚れやすい水回りは、徹底的に綺麗にするとよいでしょう。キッチンや浴室、洗面所などが汚れていると、あまり良い印象は持たれませんよね。
場合によっては、必要経費と割り切って、ハウスクリーニングサービスなどを利用しても良いでしょう。
また、あまりに生活感が強すぎると、内覧の印象が悪くなりがちです。
新築のモデルルームまでとはいいませんが、生活感が出すぎないように、インテリアに凝ってみましょう。生活必需品を隠すなど、ちょっとした工夫をすることで、印象は大きく変わります。雑誌などを参考にして、生活感を出しすぎないように心がけましょう。
売却に強い不動産会社を選ぶ
一口に「不動産会社」といっても、大手から小規模の会社までさまざまあり、また「マンションより一戸建てが得意」「都心よりも郊外を中心に扱っている」など、それぞれ特徴があります。
自分が売りたい物件の種別やエリアが得意で、販売実績もある会社を選ぶようにしましょう。
調べることはなかなか難しいのですが、売却査定時に販売実績を尋ねてみたり、会社のWebサイトから傾向を見てみたりすることで、ある程度把握することが可能です。
自分が売りたい物件を得意としていそうな会社を選ぶことが、高額売却における一つのコツだといえます。
Q2.ローンを完済していない。残債があっても家を売れるの?
ローンの支払いが終わっておらず 残債があっても、家を売ることは可能です。
ただし、家を売ったお金や貯蓄などで、ローン残債を一括返済できることが条件です。
まずは売却査定を受けて、家を売ることでローンを完済できるかどうか確認してみましょう。不安な場合には、ローン残債があることを不動産会社に伝えて相談しておくと安心です。
Q3.リフォームをする or しない、どっちを選べばいい?
古い家を売る場合、リフォームをした方が売れやすいのではないか?という疑問が出てきますよね。
「リフォームした方が良い」か「リフォームしない方が良い」かは、一概に「どちらの方が良い」と言い切ることはできません。
リフォームした方が内覧の印象が良いことは確かですが、リフォームにかかった費用を、そのまま販売価格に上乗せできるとは限りません。
また、買い手によっては、「古い家を自分好みにリノベーションしたい」と考えていることもあります。その場合、せっかくリフォームしたとしても、完全に無駄になってしまいます。
しかし本当に買い手がつかないのであれば、リフォームした方が良い場合もあります。
まずは不動産会社に相談して、どちらの方が売りやすいのか、一緒に検討することをお勧めします。
Q4.家が古いから解体しないと売れないかも。どうしたらいい?
古い一戸建ての場合、「建物を解体しなければ売れない」という可能性があります。
家の売却には、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」の問題が付いて回ります。
瑕疵担保責任とは、売却した建物に欠陥があった場合に、売り主が負う責任のことです。
気が付いていなかった欠陥でも、売り主の責任となり、損害賠償が発生する可能性があります。古い家であればあるほど、瑕疵担保責任を問われるおそれは高くなります。
解体してしまえば瑕疵担保責任は無くなるので、劣化が心配な建物であれば、解体した方が良い場合も多くあります。
とはいえ、必ずしも「古い家は解体した方が良い」というわけではありません。
更地にすると固定資産税が高くなりますし、先述したように、「古い家をリノベーションしたい人」が買ってくれる可能性もあります。
建物と土地を同時に売り出して、買い主が解体を希望するようなら解体する、という方法も検討してみましょう。
まずはリフォームと同様、不動産会社に相談してみることをお勧めします。
Q5.ご近所に知られずに家を売ることはできる?
可能です。
ご近所に知られずに家を売りたい、と希望される方は少なくありません。
不動産会社に相談すれば協力してくれるので、まずはその旨を担当者に伝えましょう。
「チラシを配布しない」「内覧を制限する」などの対策を立ててくれるはずです。
あるいは、業者買取サービスを利用すると良いでしょう。
業者買取であれば、チラシを配る必要がなく、内覧対応も必要ありません。査定のために担当者が訪問する程度で、「人の出入りが顕著に増える」といった心配もありません。
確実に素早く家を売ることができるので、ご近所に知られたくない方にはお勧めのサービスです。
最後に|信頼できる不動産会社を探そう
家の売却は、手間と時間のかかる大イベントです。
そしてその大イベントが成功するか否かを大きく左右するのは、仲介を担当する不動産会社です。
ここまで述べてきた通り、売却におけるさまざまな過程において、不動産会社との連携が必要となってきます。
スムーズに高く売れるかどうかは、会社の腕次第ともいえます。パートナーとなる会社の専門分野、得意分野をよく理解して、適切な会社選びをすることが重要です。
たとえば、コスモスイニシアは「住み替え」を得意としています。
担当者に実績を尋ねてみたり、Webサイトを見て傾向を調べてみたりして、自分が売りたい物件を得意とする不動産会社を選んでくださいね。
2016/12/28時点での情報です。