男3人が語る
「INITIA ID 高輪」
“NEXT GOOD「よい暮らし」「よい社会」の、次の答えを”というCSV(Creating Shared value=共通価値の創造)ビジョンで幅広く不動産事業を展開しているコスモスイニシア。
ファッション、建築、音楽、デザイン、アート、食をコンテンツに「遊び場を創造する」をコンセプトに掲げ、日本だけでなく海外でも高く評価されているTRANSIT GENERAL OFFICE(トランジットジェネラルオフィス)。
店舗設計、住宅設計、リノベーション、イベント企画設計など数多くの設計/デザインに携わっている紙本洋輔により2014年設立されたSAWS Inc.(ソース)。
業界がそれぞれ異なる3社がどのように手を組み、「INITIA ID 高輪」が生まれたのか?プロジェクトに関わる3名で語り合います。
MEMBER
座談会メンバー
-
野村 駿太郎
コスモスイニシア
営業担当 -
甲斐 政宏
トランジットジェネラル
オフィス
プロデューサー -
紙本 洋輔
ソウス
空間デザイナー
男目線の“カッコいい”空間を目指して
紙本
僕は今回初めて「INITIA ID」の設計としてプロジェクトに参加させてもらったのですが、率直にまず思うのは、どこから見てもカッコいい物件ができたなぁと。
一同
同感です(笑)
紙本
自分にとっての“カッコいい”空間は、どこを切り取っても絵になる納得のいく空間。例えば若い頃には収入面などから考えても住空間の事はこだわりきれないことが多いですが、年齢を重ねていくうちに実現できるようになっていきますよね。より好きな空間を選ぶことができて、自分の好きなものを集めた空間になる。そんな大人だからこそ作れる住まいに「INITIA ID 高輪」は、仕上がったと思っています。
野村
仕事柄これまで何百軒もの物件を見ていますが、その中でも自分が住みたいと思えるカッコよい物件としてトップクラスに入ります。都心のタワーマンションで夜景が美しいというようなカッコよさの方が女性には好評価なのかもしれませんが、男性が見せたいカッコよさって実はそっちじゃないという人も多いと思うんです。皆さんどうですか?
甲斐
確かに“カッコいい”って男性にとって、一番軸にあるキーワードですよね。外見的な部分だけでなく、中身も素敵に見られたいというか(笑)。家ってリラックスできる、くつろげるということが空間の考え方のベースだと思うのですが、今回の「INITIA ID 高輪」は、カッコつけたくなる空間であり、実際にカッコつけられる空間になっています。これは高輪という立地のイメージも大きく関係していると思います。
コンセプトはIntelligence Suite Edition
野村
街にはそれぞれ異なる色や匂いというものがありますが、高輪は歴史があって落ち着いた大人な街。程よい静けさがありつつ、品川に近いので交通の利便性も高い。まさに仕事の第一線で活躍しているような男性が思い浮かぶ街ですね。
甲斐
物件のコンセプトを考える時に、街のイメージからターゲットとなるお客さまは、知的でありながらアクティブな都会の男性像が浮かび上がってきました。必然的にインテリジェンスというキーワードが出てきた時に、そんな知的でカッコいい空間を目指すのであれば、思いきって男性が理想とするような空間にしていいのでは?という意見でしたね。
紙本
この物件がそもそも持つ良さもデザイン設計に大きく関わっています。ここを初めて訪れた時、エントランスから入って廊下を通って玄関に行くまでの空間も落ち着いた雰囲気があってすごく惹かれたんです。もともと備わっていた落ち着いた雰囲気を活かすように、玄関を入ったときの玄関床の天然石やシューズボックスは既存のものを活かしてデザインしています。リノベーションとはいえ全てを変えるわけではなく、既存の良さを継承することで、建物とのマッチングも考慮しました。「INITIA ID」シリーズのテーマである「海外のホテル」に基づき街や建物そのものの良さを考えていくと、Intelligence Suite Editionという知的で男性的な新しいデザインコンセプトになっていきましたね。
自分を表現できる設え
野村
「INITIA ID 高輪」でお気に入りの空間は、どこですか?
甲斐
まず思い浮かぶのは、壁一面に設置した本棚です。好みのアート本や写真集を並べたり、お気に入りのアイテムを置いたりして、自分の趣味を詰め込みたいなと。
紙本
設計上は本棚と呼んでいますが、フレキシブルに使える棚は自分の好きなものや趣味をコレクションできる場所でもあります。自分自身のマインドにも刺激を与えてくれる場所を視覚的に“面”として愛でることができるのはいいですね。
野村
やはり本棚のある部屋はポイント高いですよね。本棚とデスクがあって、そこに一人がけのソファを置いて……。ガラスの引き戸越しに家の中が見えるプライベート空間で、お酒やコーヒーを飲みながら本を読んだり。
甲斐
まさに“カッコよく、サマになる”空間ですよね。個人的にはキッチンの前にベッドを置くというインテリアが配置できるのも気に入っています。飲んだり食べたりできる空間でそのまま寝るのって、若い頃のひとり暮らしのような、全てをコンパクトに集約した暮らし方の大人版みたいな。
紙本
キッチンとベッドルームをひとつの空間で実現するというのは住宅の間取りの考え方としては一般的ではないですが、まさにホテル仕様の提案と言えます。これは「INITIA ID」シリーズの「海外のホテルのような住まい」というコンセプトそのもの。こうした斬新な考え方ができたのも、今回ターゲットを男性として振り切れたことが要因でもありますね。
野村
これまでの「INITIA ID」シリーズは男女ともに素敵だ!と思ってもらえるような、まさに絵になるキッチンが中心にある空間でした。でも、必ずしも、キッチンが住まいの中心でなくてもいい。今回はそういう提案ですね。海外ホテルのベッドは寝る時にテンション上がるじゃないですか。寝る時もカッコいい、みたいな(笑)。ただの寝室ではなく、フォトジェニックな空間としてベッドルームを設計しているので、寝具にもよりこだわりたくなりそうですね。
甲斐
着古したスウェットじゃサマにならないですからね。やはりバスローブですかね(笑)。シーツなどの寝具の素材もこだわってセレクトするようになりそうです。
紙本
空間に似合うアイテムを探す楽しみがあるデザインの住まいだと思います。甲斐さんは、実生活でのアイテムにもこだわりがありますよね?
甲斐
そうですね。海外に行くと、パッケージのカッコいい歯磨き粉を大量に購入しています。カッコいい空間に、日本語で色々書いてるパッケージのものって置きたくないじゃないですか。海外のホテルに行くと、バスルームなどの水まわりもやはりカッコいいですし。
野村
まさに高輪のバスルームもガラス扉で、海外ドラマに出てきそうなおしゃれな空間ですよね。今回は完全に男性目線で見た“カッコいい”を追求し、どこを切り取っても空間もディテールも本当にカッコいいと思えるものに仕上がったと思います。
カッコいい+上質は、エレガントにつながる
紙本
男性を意識して設計した空間ですが、実際には女性にも気に入って頂ける住まいになったのではないかと思っているのですが、社内の評判はどうですか?
野村
紙本さんがおっしゃる通り、私も住みたい!という女性社員の声はすごく多いですね。
甲斐
それは分かる気がします。弊社の他の飲食店プロジェクトでもそういう反応は多いですね。男から見て“カッコいい”を “カッコ可愛い”と言う女性が増えている印象です。
野村
安易な男性寄りのリノベーションは女性ウケしないのですが、カッコよさに上質さが加わると、女性にも受け入れられるエレガントにつながるというのは、不動産の仕事をしていても近年よく思うことです。
紙本
高輪の空間自体は濃いめの色づかいで作っていますが、そこに合わせる家具の素材やデザインで色味を中和していますね。例えばファブリックはレザーではなく柔らかめのものを選んだり、丸みのあるデザインの家具を取り入れたり。
甲斐
特に住宅はスタイリングが重要ですからね。どんなに素敵な空間に良い家具を置いても、それがマッチしていないと台無しです。今回ご一緒させていただいて、紙本さんは住宅だけでなく商業系のプロジェクトも手がけられているので、そのバランスが上手だなぁと思いました。
紙本
デザインとして空間をしっかりと作りこんであげた方が、お客さまに喜ばれるパターンが多いというのが、住宅系のプロジェクトをしていると感じることです。設計の過程で制作したパースには家電まで選んで盛り込みましたね。鞄ひとつで入居してもらっても、すぐに生活できるイメージで。まさにホテルです(笑)。
バルコニーが特徴的な西麻布プロジェクトも始動
甲斐
家を買って、細かな素材や色を選び、リノベーションして家具を探してという一連の家づくりは楽しいのですが、時間やコストなどの制約があったり、実際にはなかなか難しい。そうした悩みを解決するにも、プロがディテールまでこだわって作り上げた「INITIA ID」シリーズのようなリノベーション物件は、すごく現代の方のライフスタイルにマッチしているのではないでしょうか。
野村
お客さまのリアルな声を聞いていても、こうした物件を求めている人は潜在的にまだまだいらっしゃることを実感しています。20年前の新築マンションブームから時代は変化して、10年ほど前にはリフォームされた中古マンションが増えた。住宅事情はさらに変わって、ここ数年ではデザイン重視のリノベーションのニーズが非常に多くなりました。お客さまのニーズは多い一方、不動産業者でカッコいいリノベーションを手がけているところは少ないのが現状です。そうした中で始まった「INITIA ID」シリーズは、世の中のニーズにマッチしているという強い自信がありますね。
甲斐
「INITIA ID」シリーズは、個人で行うリノベーションよりワンランク上の提案を常に考えています。海外ドラマや映画に出てきそうな、フォトジェニックな家をデザインコンセプトにしてたからこそ、海外に住んでいた経験のある方や日本在住の外国人から問い合わせが多いというのはすごく嬉しいですね。
紙本
この高輪の次に西麻布のプロジェクトも始まりました。まだ設計デザインの検討中ですが、こちらはL字型のバルコニーがあって魅力的な物件となりそうです。インテリジェンス+男性的なカッコよさを具現化できた高輪の要素を踏襲しつつも、西麻布という街のイメージからポップで遊びのある要素を盛り込めたらいいなと思います。
野村
楽しみですね!今日はとにかく“カッコいい”をひたすら言っていた気もしますが(笑)、不動産業界で言うとこのシンプルな要望を叶えられる物件を提案していくことは、少し極端かもしれませんが、世の中の役に立っているという我々の喜びにもつながっています。「INITIA ID」シリーズの根本にあるものは変えず、街や物件の個性を探しながら、より良い空間を今後も展開していけたらと思います。
2017年9月22日収録