コスモスイニシアのESGというよりesgのコト

きっかけは
子どものころの原体験。

イニシア和光

-----このプロジェクトの経緯を教えてください。

曾我:最初、裏山みたいな雑木林の土地があって、
会社がその土地を取得したタイミングからプロジェクトに入りました。
商品企画を私が行い、設計と施工は岡が担当しました。

現地を訪れて鬱蒼とした雑木林のような裏山を見て、
「こんな急斜面にマンションが建つのか。」
とちょっと驚いたのが最初の印象でした。

でもそれと同時に子どもの頃の原体験が思い出されて。
私は広島の瀬戸内出身なのですが、
海と山に囲まれた環境で小さい頃は家の裏に雑木林とか
山があって親と散歩したり友達と秘密基地を作ったり、山で遊んだ事を思い出しました。

大人になった今も楽しい記憶として残っていて、
そういった原体験をこの土地で実現できないかなと想像が膨らんでいきました。

元々現地にあった木の切り株をそのまま残した

また、大人になって二人の子どもを育てる中で休日はキャンプなど自然に触れて楽しめる場所を求めていて、そういった「想い」が自分の中でリンクして、この地形を生かしながらマンションを作れないかなと計画を進めていきました。

-----曾我さんの想いを受け取った岡さんはどのように進めていったのですか。

:企画の段階でかなり曾我の想いが溢れていて、
実際に竣工・引渡を迎えるまでは今まで経験したプロジェクトの中でも1、2位を争う大変さでした。笑
とにかく課題が山積だったので・・・

ただ、個人的に曾我の想いに共感する部分は大きかったし、
自分が共感できるということは、
お客さまにも絶対に伝わると確信していたので、できる限り曾我の想いを実現させながら、
そこに自分の想いも重ねていくということを心掛けました。

元々の環境を生かしたいという前提はもちろん、
それだけではなく裏山で遊ぶ原体験の記憶みたいな、
そこに取り巻く想いや環境みたいなものを、
ここに住まう育つ子どもたちにどう感じてもらうかはとても意識しました。

環境を生かすという意味ではただ土地の形状を利用するということだけではなく、
例えば、手摺のかわりに虫たちの居場所となるような石を積んだ蛇篭を設置したり、
このエリアに生息するシジュウカラが好むサイズの巣箱を多摩地方の在来種であるケヤキの木の上に設置したり。
なにかを排除して新たにマンションを作るのでなく、
そこにあった生態系を生かし、共存しながら新しいなにかを生み出したいと思っていました。

曾我:また建物だけではなく、
実際にそこに住む人の事を考えながらルールの整備やコンテンツを企画しました。
例えば、広場ではドローンが飛ばせるようにマンションの管理規約を変更したり、
住民専用のガーデン「もりラボ」内にはボルダリング壁の設置や、
天井からぶら下がれるロープをつけたり、遊べるコンテンツを用意しました。
こういう思い出が大人になった時に大切な記憶になっていくので、
形だけの持続可能性じゃなくて、この自然に育まれた想い出とかが地続きになって、
次の世代へ引き継がれていけばいいなと思っています。

-----普通のマンション作りよりかなり踏み込んだ内容ですね。

:私自身が仕事は常にチャレンジが必要、と思ってやっているので困難であればあるほど登りたくなるというか、登った後の景色が印象深い。
自らを追い込んで、協力してくださる社内外のみんなでそれを超えていく。
そうやって新しい価値を世の中に届けていきたいと思っています。

ここに限らずですが、計画したことがいろいろな事情や制約で全てを実現できるわけではありません。それでも家族、特に子どもたちがここに住んだ後の情景を思い浮かべることで、最後までやりきることができたのだと思います。
先日、実際に入居されている方にインタビューする機会があり、「もりラボ」に行くと同世代の子どもがいてコミュニティが形成されているといううれしい話も聞くことができました。

結果としてABINC認証※も取得でき社外的な評価もいただき、
携わることができて本当によかったと思っています。

※ABINC認証とは JBIB(一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ)が開発した、いきもの共生事業所®推進ガイドラインの考え方に沿って計画・管理され、かつ土地利用通信簿で基準点以上を満たし、当審査過程において認証された事業所のこと。

曾我 大輔(左)

レジデンシャル本部分譲事業部事業推進課

2007年コスモスイニシア入社。企画開発部門で事業用等の仕入れ、建設会社への現場出向、新築分譲マンション販売担当を経て2011年から新築分譲マンションの建築を担当する。代表作の「イニシア横浜桜木町」「ナインアワーズ竹橋」にてグッドデザイン賞受賞。現在は事業推進課にて分譲事業の商品企画を担当する。

岡 哲平(右)

建築本部建築二部二課

2004年リクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。戸建事業部での販売・建築担当、建設会社への現場出向、レジデンシャル事業における営業開発課でのプロモーション担当を経て、2012年から分譲マンションの建築を担当。その後は分譲マンションに加え、賃貸マンション、オフィスビル、ホテルなどさまざまなタイプの商品企画に携わる。代表作の「イニシア世田谷松陰神社前」ではグッドデザイン賞を受賞。