
押小路橋周辺(現地より約520m 2024年5月撮影)
SPECIAL CONTENTS
京都の日々の暮らしにあるものに出会う。気づく。慈しむ。
それが御所南寺町SIDEの暮らし。
AREA GUIDE エリアガイド
ユニークなエリアを
ピックアップしてご紹介。
体に染みわたる湧き水の味。鼻先をくすぐるお香の薫り。色鮮やかな京野菜。
歩くたびに出会い、暮らすたびに親しみ深くなっていく。
そんな五感を満たすお店の数々をご紹介します。




京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)
料理は昼・夜ともコース仕立てで、旬を盛り込んだ華やかな前菜から、吸い物やお造り、炊き合わせなどが続きます。ご飯がわりに登場するのが、修業先で技を磨いた名物「ちらし寿司」です。雅な絵付けのふたを開けると、海老や鯛、鮪などが彩りよく勢ぞろい。甘辛く味を含ませた刻み椎茸やもみ海苔を混ぜ込んだシャリの上には、両面をふっくら焼いた錦糸卵をのせて。どのコースにも付く、このちらし寿司に魅入られて通う常連客も多いようです。食後を締めくくるのは、ご実家の季節の和菓子とお抹茶。檜の一枚板の凛としたカウンター越しからうかがえる、藤田さんのやわらかな物腰と一品一品のていねいな仕事。ここにはおだやかな空気と時間が満ち満ちています。

定休日/水・日曜
電話/075-213-0511
京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町76



薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)
2016年からシリーズ展開しているのが、日々の暮らしに寄り添うカラフルでモダンな線香です。「美山のレンゲ」「祇園の舞妓」「音羽の滝」など京都の情景をテーマに、また「寺町705」「丸の内1933」など店舗ごとの香りも加わり、20種類以上がラインナップ。「細長いタイプなので、繊細なやさしい薫りが持続します。お好みの薫りで毎日を彩っていただきたいですね」と店長の上田さん。ほかにも、香袋づくりのワークショップや外部講師を招いたイベントを開催するなど、薫りが身近に感じられる、気軽な楽しみ方を提案しています。1日のスタートを爽やかに、あるいは午後の気分転換に、お風呂上がりや就寝前のくつろぎタイムに…と、折々の心持ちにフィットする香りで、部屋や気分を演出してみませんか。

定休日/水曜 ※祝日の場合は営業
電話/075–222–5860
京都市中京区寺町通二条上ル西側要法寺前町705–2



白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)
白鳳堂の筆はすべて自社工場で生産されており、職人の手仕事による一つひとつの工程を細分化することで、高品質で安定した仕上がりを実現。穂を切り揃えるブラシとは異なり、毛先を生かして表面全体を立体的にととのえる技術を工夫し進化させています。この毛先のクオリティこそが、筆の命。肌へのタッチやメイクの仕上がりを格段にアップさせるポイントです。
014年にオープンした京都本店には、明るく奥行きのある空間に大小さまざまな筆が整然とディスプレイされています。そのシリーズ、用途、毛質の実に多彩なこと。「「まるで美術館みたい」という声をよくいただきます」と話す店長の大里さんの言葉通り、じっくり吟味するお客さまの姿が印象的です。もちろん鑑賞するだけでなく、実際の肌ざわりや、コスメで使い心地を試すこともできます。「化粧筆はプロ向けでは?と敬遠する人もいらっしゃいますが、肌に当てると吸いつくようになじみ、ナチュラルからアートメイクまで幅広い表現ができます。実は誰もが“なりたい顔”をつくりやすいメイク道具なんです」。お店で使い方やお手入れの仕方をしっかり教わったので、筆づかいも仕上げも上達しますように!

定休日/不定休、年末年始
電話/075-253-1245
京都市中京区寺町通二条上ル要法寺前町715-1



Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)
奥村シェフが選ぶ素材の中でも特に気を配っているのが、京都・園部の契約農家から届く朝採り無農薬野菜。山水で育った野菜はしっかり味が濃く、甘味や苦味のメリハリがあります。「あまり手を入れず、本来の味を前面に出したいと思っています」と奥村シェフ。
この日のディナーコースに登場した冷たい前菜は、まさに奥村シェフの真骨頂です。カラフルなイエロー、グリーン、ピンクのビネグレットソースは、京人参、九条ねぎ、紅芯大根そのものの色と味がします。マリネしたホタテ貝とサーモンのガトー仕立てには、愛らしいハーブをトッピング。重ねたプレートの間からドライアイスの白煙が立つ華やかな演出にも感喜が途切れません。ほかにも、ポタージュスープにふわっとした豆乳フランを合わせたり、魚介のフリカッセにはパリパリのガレットをのせたり…と、食感の妙を存分に楽しめます。
町家を改装した落ち着いたインテリア。そして、気取りのない清潔感あふれる雰囲気に、女性客が8割というのもうなずけます。次は野菜料理が大好きな友人を誘って、再訪したいものです。

18:00~21:00(LO20:30)
定休日/月曜
電話/075-231-1211
京都市中京区寺町竹屋町下る久遠院前町667-1



coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)
山川さんはコーヒーを「通向けの嗜好品ではなく、毎日飲んで親しむ日常品」と考えています。定番の豆やオリジナルブレンドから、コーヒー発祥の地・エチオピアのゲイシャ村由来の品種「ラ・エスメラルダ・ゲイシャ(パナマ)」といった希少性の高い豆まで、約30種類が揃っています。生豆の保存容器にはそれぞれの特徴のほか、甘味・苦味・香り・酸味のバランスを表記。産地で選んだり、好みのテイストの相談もできます。コーヒー豆は焙煎してから長期保存すると酸化して味が変わってしまうため、生豆で仕入れ、保存し、その都度焙煎して新鮮な状態で渡す――。焙煎したての香りとおいしさを「日常的に味わう」ために、生豆からの高速焙煎スタイルは、お店にとっても私たちにとっても理に適っているのです。

定休日/水曜、第1・第3火曜
電話/075-223-2278
京都市中京区夷川通富小路東入大炊町357 石倉ビル1F



宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)
宮崎家具が現在手掛けている主な家具は、桐タンスや畳椅子です。桐のタンスは、耐火性、防湿性、防虫効果など機能性に優れており、木目も優しく、長持ちするうえ、経年変化により黒ずんだり、割れがあっても職人が“洗い”をかけて新品同様によみがえらせてくれます。「3世代にわたり愛用している」といったエピソードにも事欠かず、マンションのウォークインクローゼットに置いて大切な着物や洋服を収納したいと、部屋の広さに合わせてオーダーするお客さまもいるそうです。つくり手も、京指物伝統工芸士の認定を受けたベテラン職人から、「京指物の技術を学び、守っていきたい」という頼もしい若手へと技術が継承されています。使うほどに愛着が湧く桐タンス。その引き出しには、家の歴史や家族の人生がぎっしり詰まっていくことでしょう。




京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)
店頭に並ぶのは、毎朝中央卸売市場で仕入れる京の伝統野菜を含むブランド産品、地元産の野菜に加え、昔から付き合いのある農家から届く上賀茂野菜です。新鮮な青果を求めるおなじみさんには、地域住民はもとより、近隣の飲食店主や料理研究家、近隣府県から車で訪れる人の姿も。市内の店舗などの配達や全国各地への発送も担い、石塚さんの息子さんも5代目として八百廣を支えています。気軽に日常会話を交わしながら、今日のおすすめや鮮度を保つ保存法、おいしい食べ方など、京野菜を毎日扱っている目利きならではの生のアドバイスを聞けるのも対面販売の魅力。「品揃えは時代やお客さんの要望に合わせながら、基本はこのスタイルでやっていきたい」。石塚親子の愛情がたっぷり注ぎ込まれた八百屋さんです。

定休日/日曜・祝日
電話/075-231-0247
京都市中京区寺町通竹屋町上る下御霊前町655-1



一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)
日本茶専門店『一保堂茶舗』の創業は1717 (享保2) 年。お茶や陶器を扱う「近江屋」にはじまり、幕末に山階宮(やましなのみや)から「お茶一つを保ちなさい」という思いが込められた「一保堂」の屋号を賜ったのだとか。以来、京都から全国へ日本茶文化の粋を広めてきました。取り扱うお茶は、宇治川・木津川水系の山間部で栽培された茶葉を中心に、抹茶、玉露、煎茶、番茶の4茶種合わせて、約30銘柄。標高が高く、朝晩の寒暖差が大きな地で育った茶葉は、「香りがとても良く、上品な甘み、穏やかな旨みが特徴です」と広報の川越さんは話します。
お茶はいずれもハウスブレンド。さまざまな良質の原料茶葉を厳選して仕入れ、銘柄ごとの味筋に見合うよう細やかに合組(ごうぐみ=ブレンド)して仕立てるのが一保堂流です。茶種ごとに複数の銘柄が揃っているので、重厚感のあるお茶から軽やかにいただけるお茶まで、シーンや好みに合わせて選ぶことができます。茶葉をたっぷり入れた急須にお湯を足しながら、一煎目はふくよかな甘みと香りを、二煎目は落ち着いた味わいを…と、煎を重ねて味わいの変化を楽しめるのも日本茶の魅力です。湯温や抽出時間によっても、ブレンドした茶葉の個性の立ち方が異なります。店舗奥にある喫茶室の店員さんに淹れ方を教わりながら、ほっとひと息。購入した茶葉を淹れて、自宅でちょっと一服。それぞれの愉しみ方で、こころ豊かなお茶時間を。

喫茶10:00~17:00(LO16:30)
定休日/第2水曜
電話/075-211-4018
京都市中京区寺町通二条上ル常盤木町52



京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)
前身である「象牙屋」は1661(寛文元)年に開舗、漆器道具商としての道を歩み始めます。朝廷より蒔絵司の称号を拝受した三代目西村彦兵衛が晩年に描いた蒔絵額「白象と普賢菩薩」が洛中で評判となり、この額は象牙屋の「象」と彦兵衛の「彦」の二文字から「象彦の額」と呼ばれるようになりました。その通り名の「象彦」が時を経て、今日に至っているそうです。
漆器は、漆の木から採取した樹液を塗り重ねてつくります。漆(=うるし)の語源は、「うるわし(麗し)」とも「うるむ(潤む)」ともいわれ、表しているのは水に濡れたような艶やかさ。漆器づくりは木地師、塗師、蒔絵師など専門の職人が分担し、多くの工程を経て完成します。ハレの日の道具、時には献上品として製作されてきましたが、時代やライフスタイルの変化によって用途もデザインも多彩に。象彦でも日常使いの食器やインテリアなど幅広く展開しています。手ざわりと口当たりのやわらかさや、軽さで、料理が盛り映えする漆器マジック。「普通に洗って布巾で拭いて乾かすだけで、特別な扱いはいりません」とくれば、朝食の汁椀、スイーツをのせるプレート、夕餉の冷酒杯…。連れて帰るのはどれにしようかな。

定休日/火曜
電話/075-229-6625
京都市中京区寺町通二条上ル西側要法寺前町719-1



ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)
森さんは薬剤師として働いていた時に医食同源の基本となる食の大切さを痛感し、お菓子の道に進むことを決意。その後、ドイツで9年間修業して2003年に国家資格である「製菓マイスター」を取得しています。帰国して2年後、京都市北区にお店をオープンして2021年にこの地に移転。最高級のドイツ・リューベッカ社製のオーガニックはちみつマジパンなど材料を厳選し、「ころんと愛らしいフォルムとおいしさに魅了された」自慢のバウムクーヘンを焼き続けています。定番の「はちみつバウムクーヘン」は焼いた表面に、不均一にはちみつを垂らしかけることで、食す部分によって微妙な味の違いが楽しめます。すすめられた通り、期限前日に実食。生地はぎゅっと締まって、しっとりと落ち着いた噛みごたえで、ふんわりとやさしい甘い風味が口の中に広がりました。




寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)
その「おいしいと思うハンバーグ」は、黒毛和牛100%の旨みが存分に引き出されたもの。すね肉を主役に据え、もも肉とバラ肉をプラス。運動量が豊富で肉質硬めのすね肉のコリコリとした食感を残し、噛むほどに牛肉の旨みがじわりと出るよう仕上げています。「脂肪が少ないため、ナイフを入れても肉汁はあふれません」と原さん。つなぎは控えめで肉々しい食べごたえがありながらも、あっさりした赤身なのでヘルシー志向の女性や年配の方にも好評です。デミグラス、ポン酢、白だしから選べるソースは、「まずお肉そのものの味を楽しんでほしい」ので別添えに。味わい深い洋食メニューを、羽釜でふっくら炊き上げたライスが盛り立ててくれます。

定休日/火曜(祝日の場合は営業)
電話/075-212-7727
京都市中京区常盤木町55