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押小路橋周辺(現地より約520m 2024年5月撮影)

押小路橋周辺(現地より約520m 2024年5月撮影)

SPECIAL CONTENTS

寺町SIDE

京都の日々の暮らしにあるものに出会う。気づく。慈しむ。
それが御所南寺町SIDEの暮らし。

AREA GUIDE

「寺町」と呼ばれる
ユニークなエリアを
ピックアップしてご紹介。
創業400年を超える老舗から、新しくできたお店までが集まる寺町エリア。
体に染みわたる湧き水の味。鼻先をくすぐるお香の薫り。色鮮やかな京野菜。
歩くたびに出会い、暮らすたびに親しみ深くなっていく。
そんな五感を満たすお店の数々をご紹介します。

01 京料理 二條ふじ田
京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

名水と素材の持ち味を引き立てた、端正な京料理
「やさしくてまろやか。すんなり身体に入っていきます」。京料理に欠かせない水について語るのは、店主の藤田敏晴さん。「趣味の菓匠 二條若狭屋」の次男として生まれ育ち、家業を継ぐのが当たり前とされる京都で、「次男なので自由がきくうえ、和菓子とベースは変わらない。日本料理の道に進むのは自然な流れでした」と話します。木屋町の寿司割烹の名店で修業し、平成11(1999)年に29歳で独立。気持ちを新たに、店を構える地として選んだのは、名水が湧き、実家にも近い二条通でした。この京都御所一帯は、名水が出ることでも有名で、「二條ふじ田」では厨房内に掘った井戸から水を汲み上げ、その清らかな水に合うよう昆布と鰹で出汁を引き、季節ごとの京料理に生かしています。

料理は昼・夜ともコース仕立てで、旬を盛り込んだ華やかな前菜から、吸い物やお造り、炊き合わせなどが続きます。ご飯がわりに登場するのが、修業先で技を磨いた名物「ちらし寿司」です。雅な絵付けのふたを開けると、海老や鯛、鮪などが彩りよく勢ぞろい。甘辛く味を含ませた刻み椎茸やもみ海苔を混ぜ込んだシャリの上には、両面をふっくら焼いた錦糸卵をのせて。どのコースにも付く、このちらし寿司に魅入られて通う常連客も多いようです。食後を締めくくるのは、ご実家の季節の和菓子とお抹茶。檜の一枚板の凛としたカウンター越しからうかがえる、藤田さんのやわらかな物腰と一品一品のていねいな仕事。ここにはおだやかな空気と時間が満ち満ちています。
京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

藤田さんは料理が映える器の目利きにも精通。現在は家族4人で店を切り盛りしている。1階はカウンターのほか、テーブル1卓。お客さまごとに配慮されたひざ掛けには無病息災を表した六瓢箪が描かれ、記念に持ち帰る人も。
京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

コース最後の和菓子とお抹茶でこころもゆるゆるとほどけて。この日の可憐な生菓子は、栗あんでつくった秋限定の「都重ね」。昼のコースは6,600円のみ。夜は11,000円と16,500円。
京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

京料理 二條ふじ田(現地より約220m/2024年10月撮影)

2階はゆったりくつろげる掘りごたつ式の個室が2部屋用意されている(4名以上で要予約)。琳派(りんぱ)・神坂雪佳(かみさかせっか)の作品など、藤田さんの祖父から譲り受けた貴重なコレクションがさりげなく飾られている。
SHOP INFORMATION
京料理 二條ふじ田
営業時間/12:00~14:00(LO13:00)(予約制/火・金・土のみ)、17:30~22:00(LO20:00)
定休日/水・日曜
電話/075-213-0511
京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町76
http://nijo-fujita.com
02 薫玉堂 寺町店
薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

現代の暮らしにふわりと香りを運ぶ、日本最古の御香調進所
寺町通に漂う上品な香りに導かれ、店内に入ってみると、かぐわしさがさらに深まります。こちらは、文禄3(1594)年創業の香老舗『薫玉堂』の寺町店として、2022年にオープン。西本願寺前の地で薬種商を営んでいたのが始まりで、日本最古の御香調進所として伝統を受け継ぎながら、時代に合わせた「薫り」をつくり続けています。代々伝わる調香帳(薫りのレシピ)には、熟成された香木や漢方に使われる植物といった天然の原料にこだわり、長い年月をかけて培われた独自の調香技術が記されているのだとか。

2016年からシリーズ展開しているのが、日々の暮らしに寄り添うカラフルでモダンな線香です。「美山のレンゲ」「祇園の舞妓」「音羽の滝」など京都の情景をテーマに、また「寺町705」「丸の内1933」など店舗ごとの香りも加わり、20種類以上がラインナップ。「細長いタイプなので、繊細なやさしい薫りが持続します。お好みの薫りで毎日を彩っていただきたいですね」と店長の上田さん。ほかにも、香袋づくりのワークショップや外部講師を招いたイベントを開催するなど、薫りが身近に感じられる、気軽な楽しみ方を提案しています。1日のスタートを爽やかに、あるいは午後の気分転換に、お風呂上がりや就寝前のくつろぎタイムに…と、折々の心持ちにフィットする香りで、部屋や気分を演出してみませんか。
薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

店内で試し焚きできる線香1箱1,980円、水面に映る月の姿をイメージした「観月の香皿」6,600円。10本束の線香(1束396円~)を1,980円以上になるように組み合わせて購入することもできる(通い箱385円は次回以降持参すれば箱代不要に)。
薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

2階のワークショップスペースでは、丁字、白檀、桂皮などの原料を自分だけのレシピで調合した香袋をつくる体験(約30分2,200円)ができる。そのほか、線香調香体験は5,500円(約1時間30分)も。いずれも予約制。
薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

薫玉堂 寺町店(現地より約180m/2024年10月撮影)

「印香や文香、ハンドクリーム、アロマキャンドルなど、薫りにまつわるオリジナル商品も数多く揃っています。いい薫りに包まれていると、気持ちよく働けますよ」と笑う上田さん。薬種商から始まり漢方を扱った老舗らしく、スタッフは全員白衣を着用。
SHOP INFORMATION
薫玉堂 寺町店
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜 ※祝日の場合は営業
電話/075–222–5860
京都市中京区寺町通二条上ル西側要法寺前町705–2
https://www.kungyokudo.co.jp
03 白鳳堂 京都本店
白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

文字を書く、絵を描く、肌をととのえる。筆は自己表現の道具なり
筆の産地として知られる広島県・熊野町で創業し、2024年に50周年を迎えた『白鳳堂』。創業当時から「筆ハ道具ナリ」を胸に刻み、書道、絵画、工業用、そして化粧用の道具として、末永く使われる筆づくりと向き合ってきました。なかでも、化粧筆の生産は国内トップシェアを誇り、世界的なコスメブランドやメイクアップアーティストからも高い支持を得ています。

白鳳堂の筆はすべて自社工場で生産されており、職人の手仕事による一つひとつの工程を細分化することで、高品質で安定した仕上がりを実現。穂を切り揃えるブラシとは異なり、毛先を生かして表面全体を立体的にととのえる技術を工夫し進化させています。この毛先のクオリティこそが、筆の命。肌へのタッチやメイクの仕上がりを格段にアップさせるポイントです。

014年にオープンした京都本店には、明るく奥行きのある空間に大小さまざまな筆が整然とディスプレイされています。そのシリーズ、用途、毛質の実に多彩なこと。「「まるで美術館みたい」という声をよくいただきます」と話す店長の大里さんの言葉通り、じっくり吟味するお客さまの姿が印象的です。もちろん鑑賞するだけでなく、実際の肌ざわりや、コスメで使い心地を試すこともできます。「化粧筆はプロ向けでは?と敬遠する人もいらっしゃいますが、肌に当てると吸いつくようになじみ、ナチュラルからアートメイクまで幅広い表現ができます。実は誰もが“なりたい顔”をつくりやすいメイク道具なんです」。お店で使い方やお手入れの仕方をしっかり教わったので、筆づかいも仕上げも上達しますように!
白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

自然光が射し込む吹き抜けや水盤をも設置され、白を基調とした開放感のある店内に。芸術的な高級毛筆や人気キャラクターとのコラボ商品も展示されている。建築家の岸和郎氏が設計し、「平成26年度京都景観賞 建築部門」奨励賞を受賞。
白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

「白鳳堂 京都本店 朱軸セット」50,710円。パウダー、チーク、アイブロウ各1本、アイシャドウ3本&ソフトケース付き。白鳳堂のフラッグシップS100シリーズは、日本の伝統色が美しい朱色の軸で、末広がりで握りやすく手になじむデザイン。
白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

白鳳堂 京都本店(現地より約170m/2024年10月撮影)

「化粧筆だけで700種類以上、『こういうお化粧がしたいならこの筆』とおすすめできる豊富な種類が揃っています」と大里さん。芸術大学出身で伝統工芸への関心が高く、「職人さんの手仕事にも筆そのものにも誇りを持っています」と話す。
SHOP INFORMATION
白鳳堂 京都本店
営業時間/10:00~18:00
定休日/不定休、年末年始
電話/075-253-1245
京都市中京区寺町通二条上ル要法寺前町715-1
https://hakuho-do.co.jp/
04 Restaurant 信
Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

旬の朝採れ野菜をたっぷり味わう京都フレンチ
麗しい盛りつけや創意に富んだソースなど、ひと皿ごとのワクワク感を楽しませてくれる『Restaurant 信』。「お客さまが料理を目の前にしたその瞬間、そしてナイフを入れ、口に運んだ時の音や食感を大切にしています」と笑顔で話すのは、オーナーシェフの奥村信宏さん。見た目や味わいにもこだわり、「一体感と立体感のあるフレンチ」をめざしているそうです。

奥村シェフが選ぶ素材の中でも特に気を配っているのが、京都・園部の契約農家から届く朝採り無農薬野菜。山水で育った野菜はしっかり味が濃く、甘味や苦味のメリハリがあります。「あまり手を入れず、本来の味を前面に出したいと思っています」と奥村シェフ。

この日のディナーコースに登場した冷たい前菜は、まさに奥村シェフの真骨頂です。カラフルなイエロー、グリーン、ピンクのビネグレットソースは、京人参、九条ねぎ、紅芯大根そのものの色と味がします。マリネしたホタテ貝とサーモンのガトー仕立てには、愛らしいハーブをトッピング。重ねたプレートの間からドライアイスの白煙が立つ華やかな演出にも感喜が途切れません。ほかにも、ポタージュスープにふわっとした豆乳フランを合わせたり、魚介のフリカッセにはパリパリのガレットをのせたり…と、食感の妙を存分に楽しめます。

町家を改装した落ち着いたインテリア。そして、気取りのない清潔感あふれる雰囲気に、女性客が8割というのもうなずけます。次は野菜料理が大好きな友人を誘って、再訪したいものです。
Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

「アワビとムール貝、鮮魚のフリカッセ」に合わせた野菜は、あえて歯ごたえを残してソテーに。デザートの「ホワイトショコラのドーム」は、温かいオレンジソースを上からかけるとチョコが溶け崩れて、中から抹茶カヌレが顔を出す。コースのみで昼4,400円~、夜7,700円~。
Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

江戸期築の町家を改装。京町家独特の細長い間口のアプローチを抜けると、白いテーブルクロスとレモンイエローのチェアが映える和モダンな空間が広がる。「決して広くはないので、吹き抜けの天井で開放感を出しました」。
Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

Restaurant 信(現地より約270m/2024年10月撮影)

「ドキュメンタリー番組をたまたま見て料理人の職人気質に憧れた」ことが、料理人をめざすきっかけに。京都のホテルの製菓部門と西洋料理部門で約20年の修業を積み、2011年に独立。「基本を踏まえながら、自由な感性で料理と向き合いたいですね」。
SHOP INFORMATION
Restaurant 信
営業時間/11:30~14:30(LO13:30)
18:00~21:00(LO20:30)
定休日/月曜
電話/075-231-1211
京都市中京区寺町竹屋町下る久遠院前町667-1
http://kyoto-shin.jp
05 coffee 山川
coffee  山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee  山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee  山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

“通”だけではなく、コーヒー好きの日常に、香り高き一杯を
『coffee 山川』に足を踏み入れると、壁一面に並ぶコーヒーの生豆と香ばしい匂いに気持ちが高揚します。オーナーの山川和輝さんは大学時代、アメリカ・シアトルに留学。キャンパスでも街でもカフェが身近な存在で、コーヒー文化が根付いていることに感心し、「いずれはエスプレッソマシンで淹れる喫茶店を日本でやりたい」という大きな夢が生まれます。しかしその後間もなく、シアトル系コーヒーショップが日本に進出し大人気に。「これでは太刀打ちできないと切り替えました。当時は生豆を置く喫茶店が京都にあまりなかったし、オーダーごとに焙煎する高速焙煎スタイルがおもしろいかなと思って」。2006年、コーヒー専門喫茶店を京都・東山区で開業。2014年にこの地に移転し、コーヒー豆専門店として再出発しました。

山川さんはコーヒーを「通向けの嗜好品ではなく、毎日飲んで親しむ日常品」と考えています。定番の豆やオリジナルブレンドから、コーヒー発祥の地・エチオピアのゲイシャ村由来の品種「ラ・エスメラルダ・ゲイシャ(パナマ)」といった希少性の高い豆まで、約30種類が揃っています。生豆の保存容器にはそれぞれの特徴のほか、甘味・苦味・香り・酸味のバランスを表記。産地で選んだり、好みのテイストの相談もできます。コーヒー豆は焙煎してから長期保存すると酸化して味が変わってしまうため、生豆で仕入れ、保存し、その都度焙煎して新鮮な状態で渡す――。焙煎したての香りとおいしさを「日常的に味わう」ために、生豆からの高速焙煎スタイルは、お店にとっても私たちにとっても理に適っているのです。
coffee  山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

イートインは一杯ずつていねいにハンドドリップで。「京都の人はすっきりした味を好む傾向があります。関東と関西で出汁文化が異なるのと似ているかも?」と話す山川さん。店内はイートイン用に4席設けている。
coffee  山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

リラックスしたいとき、もうひと踏ん張りしたいときなど、コーヒーの味と香りは強い味方に。3種の豆をブレンドした「マイルドブレンド」300円(テイクアウト100g・650円)は、飲みやすく飽きのこない味わい。
※写真はイメージ。通常は紙コップにて提供
coffee  山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

coffee 山川(現地より約210m/2024年10月撮影)

地元の学生にも人気がある手軽なドリップパック。写真左からハニー製法で仕上げたまろやかな「ラス・ヌエセス ハニー(グァテマラ)」440円、フルーティな風味の「キリマンジャロ・キボAA(タンザニア)」220円、コクと甘みのバランスが良い「おおきにブレンド」170円。
SHOP INFORMATION
coffee 山川
営業時間/9:00~18:00 ※月曜のみ~17:00
定休日/水曜、第1・第3火曜
電話/075-223-2278
京都市中京区夷川通富小路東入大炊町357 石倉ビル1F
https://www.coffeeyamakawa.com
06 宮崎家具
宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

生活道具であり、芸術品。京指物(きょうさしもの)の伝統を受け継ぐ家具専門店
鴨川から二条城に至る夷川通のうち、寺町通から烏丸通の間は「家具の街」と呼ばれます。江戸時代からこのあたりは家具や建具など住居に関する店舗が軒を連ね、職人たちが暮らしていました。『宮崎家具』の初代も幕末の安政3(1856)年に、「京指物師」として技を振るい始めました。箱火鉢をつくる小さな工房から始め、飾棚などの家具づくりで研鑽を重ねてきたといいます。京指物は平安時代から続く伝統工芸で、7代目の宮﨑真里子さんは「伝統的な木工技術に、蒔絵や螺鈿(らでん)を使って意匠を施すなど、宮廷文化の流れを汲んだ品格や優雅さを併せ持つのが特徴です。『ほぞ』という溝で木と木を組み合わせてつくる堅牢な組み手の技法により、金釘を1本も使わず上品に仕上げます」と話します。

宮崎家具が現在手掛けている主な家具は、桐タンスや畳椅子です。桐のタンスは、耐火性、防湿性、防虫効果など機能性に優れており、木目も優しく、長持ちするうえ、経年変化により黒ずんだり、割れがあっても職人が“洗い”をかけて新品同様によみがえらせてくれます。「3世代にわたり愛用している」といったエピソードにも事欠かず、マンションのウォークインクローゼットに置いて大切な着物や洋服を収納したいと、部屋の広さに合わせてオーダーするお客さまもいるそうです。つくり手も、京指物伝統工芸士の認定を受けたベテラン職人から、「京指物の技術を学び、守っていきたい」という頼もしい若手へと技術が継承されています。使うほどに愛着が湧く桐タンス。その引き出しには、家の歴史や家族の人生がぎっしり詰まっていくことでしょう。
宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

京指物の技術が存分に発揮された畳椅子286,000円~。大正から昭和にかけて活躍した建築家・藤井厚二が旧本店の応接間の椅子としてデザインしたものを原型に88年間作られているロングセラー。材料選定から製造まですべて伏見の自社工場で一貫生産している。
宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

華やかな絵付けを施した桐箱は、アクセサリーなどの小物入れとして使ったり、お祝い事の贈りものとしても喜ばれそう。ほかにティッシュボックスやゴミ箱などの木工品も取り揃えている。
宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

宮崎家具(現地より約400m/2024年10月撮影)

「2015年に店舗を新築した時に、旧本店時代の茶室を移設しました」と話す宮﨑さん。店舗向かいの「京指物資料館」では、宮崎家具の歴代の技術が遡れる貴重な所蔵作品や京都画壇による図案などを見学できる(予約制)。
SHOP INFORMATION
宮崎家具
営業時間/10:00~17:00(事前予約制)
定休日/土日祝
電話/075-231-6337
京都市中京区夷川通堺町西入百足屋町152
https://www.miyazakikagu.com
07 京野菜 八百廣
京野菜  八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜  八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜  八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

形や大きさもさまざま。野菜で京都の「旬」と出合う。
日本の伝統的な野菜といえば多くの人が「京野菜」を思い浮かべるほど、近年は関西だけでなく首都圏にも流通し、全国各地で見かけるようになりました。そんな旬の京野菜を豊富に取り揃え、地元で長年愛され続けている八百屋が、明治3(1870)年創業の『八百廣』です。「京野菜のはっきりした定義はないんよ。おおまかには、京都の雰囲気を醸し出す京都特産の野菜のことやね」と、気さくに語ってくれる4代目の石塚清三さん。明治以前から府内で栽培されていた「京の伝統野菜」に加え、「京の伝統野菜に準ずるもの」「京の伝統野菜以外のブランド認証品目」に分類され、この3つのグループから「京のブランド産品」が選ばれているそうです。

店頭に並ぶのは、毎朝中央卸売市場で仕入れる京の伝統野菜を含むブランド産品、地元産の野菜に加え、昔から付き合いのある農家から届く上賀茂野菜です。新鮮な青果を求めるおなじみさんには、地域住民はもとより、近隣の飲食店主や料理研究家、近隣府県から車で訪れる人の姿も。市内の店舗などの配達や全国各地への発送も担い、石塚さんの息子さんも5代目として八百廣を支えています。気軽に日常会話を交わしながら、今日のおすすめや鮮度を保つ保存法、おいしい食べ方など、京野菜を毎日扱っている目利きならではの生のアドバイスを聞けるのも対面販売の魅力。「品揃えは時代やお客さんの要望に合わせながら、基本はこのスタイルでやっていきたい」。石塚親子の愛情がたっぷり注ぎ込まれた八百屋さんです。
京野菜  八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

万願寺とうがらし、えびいも、賀茂なす、上賀茂オクラなど、鮮度に自信がある野菜を取り揃えている。京都産だけでなく、北海道など各地の季節の野菜も扱っている。少し形が悪かったり、キズがあるものは特別価格で販売。
京野菜  八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

店内には、きのこ類や果物のほか漬物や調味料なども。「季節の野菜を遠方の方にも楽しんでもらうために、『八百廣旬の野菜セット』の販売もしています」と石塚さん。店奥では注文を受けて発送準備が。
京野菜  八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

京野菜 八百廣(現地より約290m/2024年10月撮影)

つやつやした上賀茂トマト。皮にハリがあり、ほどよい酸味がクセになる。みずみずしくて栄養価が高い旬の野菜や果物をいただくことはとても贅沢で、健康的な食生活の源なのだとしみじみ実感する。
SHOP INFORMATION
京野菜 八百廣
営業時間/9:00~18:00
定休日/日曜・祝日
電話/075-231-0247
京都市中京区寺町通竹屋町上る下御霊前町655-1
https://www.kyotoyaohiro.com
08 一保堂茶舗 京都本店
一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

「お茶にしよう」が合言葉。一煎、二煎といただく甘露なひととき
「茶 一保堂」と染め抜かれた暖簾が掲げられて開店準備が整うと、きりっと清々しい空気が漂います。待ちかねたように次々と訪れる地元客や観光客。朝10時の寺町通の風物詩です。

日本茶専門店『一保堂茶舗』の創業は1717 (享保2) 年。お茶や陶器を扱う「近江屋」にはじまり、幕末に山階宮(やましなのみや)から「お茶一つを保ちなさい」という思いが込められた「一保堂」の屋号を賜ったのだとか。以来、京都から全国へ日本茶文化の粋を広めてきました。取り扱うお茶は、宇治川・木津川水系の山間部で栽培された茶葉を中心に、抹茶、玉露、煎茶、番茶の4茶種合わせて、約30銘柄。標高が高く、朝晩の寒暖差が大きな地で育った茶葉は、「香りがとても良く、上品な甘み、穏やかな旨みが特徴です」と広報の川越さんは話します。

お茶はいずれもハウスブレンド。さまざまな良質の原料茶葉を厳選して仕入れ、銘柄ごとの味筋に見合うよう細やかに合組(ごうぐみ=ブレンド)して仕立てるのが一保堂流です。茶種ごとに複数の銘柄が揃っているので、重厚感のあるお茶から軽やかにいただけるお茶まで、シーンや好みに合わせて選ぶことができます。茶葉をたっぷり入れた急須にお湯を足しながら、一煎目はふくよかな甘みと香りを、二煎目は落ち着いた味わいを…と、煎を重ねて味わいの変化を楽しめるのも日本茶の魅力です。湯温や抽出時間によっても、ブレンドした茶葉の個性の立ち方が異なります。店舗奥にある喫茶室の店員さんに淹れ方を教わりながら、ほっとひと息。購入した茶葉を淹れて、自宅でちょっと一服。それぞれの愉しみ方で、こころ豊かなお茶時間を。
一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

並んだ茶壷や茶筒、茶櫃、頭上の銘柄表など、趣のある雰囲気。気軽に飲める「ドリップティーバッグ」6袋・1,296円や、「抹茶スティック」2g×10本・1,404円なども人気。ギフト用の包装には、世界で初めて著された茶の専門書「茶経」の冒頭部分を印刷した紙を使用している。
一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

店舗奥のテイクアウトコーナーでは、茶釜から柄杓で湯をすくい、茶筅で抹茶を点てる様子を見学できる。テイクアウトは540円~で、紙コップの絵柄も可愛い。「喫茶室に入る時間がない方も、一保堂で淹れる定番の味を楽しんでいただけたら」と川越さん。
一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

一保堂茶舗 京都本店(現地より約210m/2024年11月撮影)

併設の「喫茶室 嘉木」では11銘柄ほどの茶葉がいただける。京都本店限定の「特撰煎茶」1,980円(和菓子付き)は、朝霧に包まれた山間で育った新芽だけで仕上げ、みずみずしい甘みと若さある青い香り。老舗和菓子店から取り寄せる季節の一品を添え、お湯はマグボトルで提供される。
SHOP INFORMATION
一保堂茶舗 京都本店
営業時間/店舗10:00~17:00、
喫茶10:00~17:00(LO16:30)
定休日/第2水曜
電話/075-211-4018
京都市中京区寺町通二条上ル常盤木町52
https://www.ippodo-tea.co.jp
09 京漆匠 象彦 京都寺町本店
京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

ハレの日だけでなく日常使いも。艶やかな漆器の懐の深さを愉しむ
艶のある漆黒や朱色の光沢、金銀を蒔いて描き出された華やかな蒔絵。小さな美術館ともいえる趣がある『京漆匠 象彦』に陳列された美しい漆器の数々に、感嘆のため息が漏れます。「並べているアイテムはほんの一部。季節や歳時によって入れ替わります」と上品に微笑むのは、同社クリエイティブディレクターの西村和美さん。

前身である「象牙屋」は1661(寛文元)年に開舗、漆器道具商としての道を歩み始めます。朝廷より蒔絵司の称号を拝受した三代目西村彦兵衛が晩年に描いた蒔絵額「白象と普賢菩薩」が洛中で評判となり、この額は象牙屋の「象」と彦兵衛の「彦」の二文字から「象彦の額」と呼ばれるようになりました。その通り名の「象彦」が時を経て、今日に至っているそうです。

漆器は、漆の木から採取した樹液を塗り重ねてつくります。漆(=うるし)の語源は、「うるわし(麗し)」とも「うるむ(潤む)」ともいわれ、表しているのは水に濡れたような艶やかさ。漆器づくりは木地師、塗師、蒔絵師など専門の職人が分担し、多くの工程を経て完成します。ハレの日の道具、時には献上品として製作されてきましたが、時代やライフスタイルの変化によって用途もデザインも多彩に。象彦でも日常使いの食器やインテリアなど幅広く展開しています。手ざわりと口当たりのやわらかさや、軽さで、料理が盛り映えする漆器マジック。「普通に洗って布巾で拭いて乾かすだけで、特別な扱いはいりません」とくれば、朝食の汁椀、スイーツをのせるプレート、夕餉の冷酒杯…。連れて帰るのはどれにしようかな。
京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

豪華な蒔絵を施した芸術品さながらの重箱から、気軽に普段使いできる実用的な器まで、多種多様な漆器をディスプレイ。定番アイテムの「大原盆」14,300円や椀物のほか、デスクまわりがやさしい印象になる名刺箱やペン皿などの文房具も。
京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

1月の南天、2月の残雪など、12ヶ月の意匠をあしらった「十二ヶ月冷酒杯」一客27,500円。いつもの食卓に漆器をプラスすると華やぎとぬくもりが広がる。蒔絵は昔からの花鳥風月が中心。すっきりした無地は扱いやすい。
京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

京漆匠 象彦 京都寺町本店(現地より約130m/2024年11月撮影)

抗菌作用を持つ天然素材なので安心して使える漆器。「ほかの食器よりも熱伝導が低く、熱いものを入れても器は熱くならず持ちやすく、軽くて手首に負担がかかりません」と西村さん。ご主人は2021年に十代目彦兵衛を襲名。
SHOP INFORMATION
京漆匠 象彦 京都寺町本店
営業時間/10:00~18:00
定休日/火曜
電話/075-229-6625
京都市中京区寺町通二条上ル西側要法寺前町719-1
https://www.zohiko.co.jp
10 ズーセス ヴェゲトゥス
ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

層が織り成すしっとりきめ細やかな生地と、はちみつの甘い誘惑
「焼きたてよりも賞味期限ぎりぎりがおすすめ」と店主の森美香さんがいうように、『ズーセス ヴェゲトゥス』のバウムクーヘンは少し寝かせてからが食べ頃です。早く食べたい人は期限が迫っている商品を選ぶこともできます。ひっきりなしにやって来てはショーケースの中を吟味して買い求めるお客さまの対応にスタッフが追われる中、厨房では森さんがバウムクーヘンづくりに奮闘中。十分あたためた芯棒に生地をからめ、一層焼いてはまたからめて…を丁寧に繰り返し、膨らんだ部分はフォークでたたいて空気を抜き、均一な直径(太さ)に仕上げます。一本焼きの焼成機の前で森さん自身も秒刻みでフル回転、手を休めることがありません。

森さんは薬剤師として働いていた時に医食同源の基本となる食の大切さを痛感し、お菓子の道に進むことを決意。その後、ドイツで9年間修業して2003年に国家資格である「製菓マイスター」を取得しています。帰国して2年後、京都市北区にお店をオープンして2021年にこの地に移転。最高級のドイツ・リューベッカ社製のオーガニックはちみつマジパンなど材料を厳選し、「ころんと愛らしいフォルムとおいしさに魅了された」自慢のバウムクーヘンを焼き続けています。定番の「はちみつバウムクーヘン」は焼いた表面に、不均一にはちみつを垂らしかけることで、食す部分によって微妙な味の違いが楽しめます。すすめられた通り、期限前日に実食。生地はぎゅっと締まって、しっとりと落ち着いた噛みごたえで、ふんわりとやさしい甘い風味が口の中に広がりました。
ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

手前から時計回りに、「はちみつ」100gあたり712円、宇治抹茶を使用した「抹茶」同712円、「チョコミント」同907円はワインのお供にも。定番もう1種「ビターチョコ」はヘーゼルナッツのマジパンを使用。側面の焼印も季節ごとに変わる。
ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

定番バウムクーヘンは4種類。グラム売りで1個(直径約11㎝・高さ約3.5㎝)約700円~。はちみつたっぷりの大型「スペシャルバウム」(直径約17㎝・高さ約4.5㎝)は約2,800円~。そのほか、旬のフルーツやナッツ、スパイスなどの組み合わせが楽しい「季節のバウムクーヘン」もある。
ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

ズーセス ヴェゲトゥス(現地より約100m/2024年11月撮影)

焼く工程に入ると焼成機の前につきっきりになる森さん。ドイツ語の店名は、ズーセス=甘いもの、ヴェゲトゥス=野菜。オープン時に販売していた「野菜のお惣菜もいずれは再開したいんです」と話す。
SHOP INFORMATION
ズーセス ヴェゲトゥス
営業時間/12:00~売れ切れ次第終了
定休日/月・火・水曜
電話/075-634-5908
京都市中京区松本町575-2
https://sv-baum-kyoto.com/
11 寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(ごくらくとんぼ)
寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

赤身肉のヘルシーさと食べごたえが調和したハンバーグ
看板料理のハンバーグは、選りすぐりの黒毛和牛を朝挽きし、注文ごとに種を手ごねして焼き上げています。オーナーシェフの原正光さんが特に心がけているのは、「シンプルな材料で、きちんとつくること」。静岡県出身、神奈川県鎌倉市で働いていたサラリーマン時代、好みのハンバーグ店と出合い、通いつめ、いつしかお店を手伝うようになり、前オーナーが出店していた寺町店を引き継いで5年目。常連客から店主へと転身したという異色の経歴です。「自分がおいしいと思う料理の味や食べる楽しさをお客さまと共有したい」という信念で、洋食づくりに情熱を注いでいます。

その「おいしいと思うハンバーグ」は、黒毛和牛100%の旨みが存分に引き出されたもの。すね肉を主役に据え、もも肉とバラ肉をプラス。運動量が豊富で肉質硬めのすね肉のコリコリとした食感を残し、噛むほどに牛肉の旨みがじわりと出るよう仕上げています。「脂肪が少ないため、ナイフを入れても肉汁はあふれません」と原さん。つなぎは控えめで肉々しい食べごたえがありながらも、あっさりした赤身なのでヘルシー志向の女性や年配の方にも好評です。デミグラス、ポン酢、白だしから選べるソースは、「まずお肉そのものの味を楽しんでほしい」ので別添えに。味わい深い洋食メニューを、羽釜でふっくら炊き上げたライスが盛り立ててくれます。
寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

ステンドグラスのペンダントライトを吊るしたレトロモダンな店内。開店から閉店まで休憩なしで営業しているので、「カフェとしての利用も大歓迎です」。ドリンク500円~、ケーキセット1,000円。ケーキはテイクアウトもできる。
寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

「とろふわオムライス」1,300円。デミグラスソースは酸味を抑えて甘みとコクを引き立たせ、ケチャップライスはあえて具なしでシンプルに。自慢の「寺町ハンバーグ」は1,500円。さらにボリュームのある「ミックスフライとミニハンバーグ」1,700円や「ハンバーグカレー」2,000円なども。
寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

寺町ハンバーグ極楽蜻蛉(現地より約170m/2024年11月撮影)

原さんのおもてなしの原点は、幼い頃に時代劇を見て興味を覚え、習い始めた茶道経験にあるという。京都暮らしは、茶道の専門学校に通っていた学生時代以来だそう。そんな経歴から、ドリンクメニューに「抹茶」600円もある。
SHOP INFORMATION
寺町ハンバーグ極楽蜻蛉
営業時間/11:00~21:00(LO20:00)
定休日/火曜(祝日の場合は営業)
電話/075-212-7727
京都市中京区常盤木町55
https://teramachi-hamburg.owst.jp