CASE 2 / SHINKAI
シンカイ
長野市の善光寺の門前町にある「シンカイ」 。元々空き店舗だった「シンカイ金物店」をリノベーションして作られ「人が集まる秘密基地」となっている。
ストーリー
創設者(シンカイボーイズ)の2人が、2010年(当時大学生)に、善光寺門前界隈の空き店舗「シンカイ金物店」を自分たちの秘密基地兼住居としてリノベーションしたことが始まりだ。現在、シンカイにはシンカイボーイズの小林さんが住んでいて、仲間や旅人を泊めたり交流の場となっている。一階のリビングではフリーマーケットやワークショップが開催されている。小林さんは大学卒業後、1年間教員として働き、その後アメリカに行くなどした後にシンカイに戻ってきた。
善光寺が無宗派のお寺だということから、昔からこの地域は「くる者拒まず」多くの人を受け入れてきた。善光寺界隈は、シンカイだけでなく、空き家をリノベーションしてお店を開いている人も多く、地元のNPO法人が作成した空き家を活用した店舗が一覧になっている冊子を町中で一冊100円で販売している。
DATA
- ・開始年度/2010年
- ・年会費/なし
視察報告
私たちが取材に行ったのが丁度ゴールデンウィーク中であったのと、善光寺の御開帳の時期が重なっていたため、シンカイには小林さんの学生時代の仲間が集まっていた。みんなでご飯を食べ、将来の夢を語り、布団をひいて雑魚寝。シンカイは元々店舗をリノベーションしてできているため一階部分は全面ガラス張りで外を通る人が室内をのぞき放題だ。落ち着かないかと思いきや逆に、不思議と見守られている安心感さえ感じる。ごはん時には、地域の人がおかずをおすそ分けしてくれた。
善光寺門前界隈らしく「くる者拒まず」で人を迎え入れる「シンカイ」。集まった人同士が元々知り合いでなくても、共に過ごす時間や経験はどこか懐かしささえ感じる。善光寺に行きたいからついでに「シンカイ」にも顔を出していこうではなく、「シンカイ」にいる仲間に会いたいからわざわざ時間をかけて行く。そういった雰囲気を持っていた。